「拮抗」という言葉には、「ほぼ同等のものどうしが互いに張り合って優劣のないこと」という意味があります。
物事を比べる場面でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「拮抗」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「拮抗」の意味は『ほぼ同等のものどうしが互いに張り合って優劣のないこと』
拮抗の読み方は「きっこう」です。
語源はせまるという意味の「拮」とまけずにはりあうという意味の「抗」から来ており、
- 「拮」はせまる
- 「抗」はまけずにはりあう
の2つが合わさってできた言葉です。
『拮抗』には
- 勢力などがほぼ同等のものどうしが、互いに張り合って優劣のないこと
などの意味があります。
「拮抗」の正しい使い方を例文で紹介!
「拮抗」は、物事が張り合っていることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
交感神経と副交感神経には拮抗作用がある。
例文②
母は拮抗薬の関係でグレープフルーツを控えている。
例文③
社内の派閥争いは拮抗している。
例文④
Eさんを巡るC美さんとD子さんの勝負は拮抗している。
例文⑤
昨夜のサッカーW杯の試合は序盤から拮抗していた。
「拮抗」の類義語・言い換え5選
『拮抗』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- せめぎ合い
- 競合
- 接戦
- 五分五分
- 互角
類義語①せめぎ合いの意味
優劣や勝敗などが決まらない状況のまま互いに攻防したり、争ったりしていること。
引用:Weblio辞書
同窓会に行ってみたい気持ちと行きたくない気持ちがせめぎ合っている。
類義語②競合の意味
1.いくつかの事柄が同一の対象のうえに重なり合うこと。また、せりあうこと。
2.私法上、単一の事実または要件について、評価あるいはその効果が重複すること。また、刑法で、一個の行為が数個の罪名にあたること。
引用:コトバンク
競合他社の動向が知りたい。
類義語③接戦の意味
- 力量が同じ程度でなかなか決着のつかない勝負。
- 敵と味方が接近して戦うこと。
- 戦いを交えること。
引用:goo辞書
先日のバスケ部の試合は接戦だった。
類義語④五分五分の意味
互いに優劣や可否のないこと。半分半分であること。また、その様子。互角。五分。
引用:コトバンク
あの計画を進めるかは五分五分だ。
類義語⑤互角の意味
双方の力量が同じ程度で、優劣の差がないこと。また、そのさま。五分五分。
引用:Weblio辞書
そのアニメの主人公は敵と互角に戦えるくらい成長していた。
「拮抗」と「均衡」の違いは?
「拮抗」と「均衡」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「拮抗」にはほぼ同等のものどうしが互いに張り合って優劣のないことという意味がありますが、
それに対し「均衡」には、二つ以上の物がつり合いを保つことという意味があります。
二つ以上の物が絡んでくるのは同じですが、
- 「拮抗」は張り合った結果優劣が無い、
- 「均衡」は物がつり合いを保っていること
を表す言葉です。
「拮抗」は英語で『antagonism』
拮抗は英語の『antagonism』に言い換えることができます。
英語の『antagonism』には
- 敵対
- 拮抗作用
という意味があります。
「拮抗」の対義語・反対語は『格差』
拮抗の対義語は、『格差』になります。
格差には
- 資格・等級・価格などの違い
- 差
などの意味があり、物事の間に存在する差という意味で用いられます。
「拮抗」はほぼ同等のものどうしという前提がありますが、
「格差」にはそもそも物事の間に差があります。