「包括」という言葉には、「一つにまとめること」という意味があります。
色々なものをひとくくりにする際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「包括」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「包括」の意味は『一つにまとめること』
包括の読み方は「ほうかつ」です。
語源は漢字の「包(つつ)む」と「括(くく)る」から来ており、
- 「包」は紙や布などですっかり覆う
- 「括」は束ねる、ひとまとめにする
の2つが合わさってできた言葉です。
『包括』には
- ひとくくりにする
- 多くのものをひとまとめにする
などの意味があります。
「包括」の正しい使い方を例文で紹介!
「包括」は、全体をひとまとめにする際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
私の考えはこのレポートに包括されています。
例文②
彼には包括的なアドバイスが必要だ。
例文③
この問題の包括的な解決策はありますか。
例文④
遺産相続には、包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。
例文⑤
高齢者の自立支援を目的とした包括的支援センターを各市町村に設置した。
【包括を使う時の注意点】
包括は、「包括する、される」以外にも「包括的」のように使われます。
「包括」の類義語・言い換え5選
『包括』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 総括
- 総合
- 一括
- 統一
- 集約
類義語①総括の意味
[名](スル)
1 個々のものを一つにまとめること。全体をとりまとめて締めくくること。「各人の意見を―する」
2 労働運動や政治運動で、それまでの活動の内容・成果などを評価・反省すること。「春闘を―する」
引用:goo辞書
会議の内容を総括しました。
類義語②総合の意味
[名](スル)
1 個々別々のものを一つに合わせてまとめること。「全員の意見を—する」「各種目の得点を—する」
2㋐《synthesis》分析的思考によってとらえられたいくつかの部分・要素を結び合わせて統一的に構成すること。⇔分析。
㋑《(ドイツ)Synthese》ヘーゲル弁証法で、相互に矛盾する定立と反定立とを止揚すること。合(ごう)。ジンテーゼ。
引用:weblio辞書
総合案内の窓口はあちらです。
類義語③一括の意味
[名](スル)一つにまとめること。また、まとめたもの。「—して購入する」「—審議」「かな漢字—変換」
引用:weblio辞書
借入の一括返済をした。
類義語④統一の意味
[名](スル)一つにまとめること。一つにまとめて組織化・系統化すること。また、そのまとまり。「―がとれる」「―を欠く」「国内を―する」
引用:goo辞書
文章のフォントを統一してください。
類義語⑤集約の意味
[名](スル)物事を整理して、一つにまとめること。「調査結果を―する」「反論はこの一点に―される」
引用:goo辞書
過去のヒット曲を集約したベストアルバムが発売されました。
「包括」と「包摂」の違いは?
「包括」と「包摂」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「包括」には一つにまとめることという意味がありますが、
それに対し「包摂」には、一定の範囲内に包み込むことという意味があります。
どちらも「包」という漢字を使うので同じような意味と思われがちですが、包括はさまざまなものをひっくるめて一つにまとめる際に使われ、包摂はあるものを別の大きな枠に組み入れるという際に使われます。
例えば、ローカルのスーパーマーケットが全国展開の大手スーパーマーケットの傘下に入ることを包摂と言います。
「包括」は英語で『comprehensive』
包括は英語の『comprehensive』に言い換えることができます。
英語の『comprehensive』には
- 内包的
- 総合試験
という意味があります。
「包括」の対義語・反対語は『個別』
包括の対義語は、『個別』になります。
個別には
- 一つ一つ、一人一人を別々にすること
- 全体を構成するものを一つずつ切り離すこと
などの意味があり、まとまったものを一つずつに分ける際に用いられます。
包括には多くのものを一つにまとめるという意味があり、個別にはまとまりを一つずつに分けるという意味があります。