「思いを馳せる」という言葉には、「遠く離れている人や、遠い場所へ思いを巡らせる」という意味があります。
自分と遠く離れている対象物”に対して、何かを思う時によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「思いを馳せる」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
思いを馳せるの意味は『遠く離れている人や物事を思う』
思いを馳せるの読み方は「おもいをはせる」です。
語源は「思い」・「馳せる」と二つの言葉から成り立っていますが、
「馳せる」は、速く走る・駆けると言う意味があり、
「思い」を付け足すと、気持ちや考えを遠くに至らせるという意味になります。
『思いを馳せる』には
- 遠く離れている対象について、色々と想像し思考を巡らせること
という意味があります。
「思いを馳せる」の正しい使い方を例文で紹介!
ここでは、シーン別で「思いを馳せる」の使い方を解説していきます。
基本的には日常会話で使うというよりかは、詩的な表現ということもあり、映画や小説・フレーズなど感情を表現する際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①物理的な距離のある対象に思いを馳せる時
遠くに離れている人や物事に対して思う時に使われます。
【例文①】
仕事で日本を離れている私は、長いこと会えていない両親に思いを馳せた。
【例文②】
最近、学生時代に留学先で訪れたカナダに思いを馳せることが増えました。
例文②過去に(時間に対して)思いを馳せる時
既に過ぎた時間において起きた物事について、色々と想像し懐かしむ時などに使われます。(亡くなった人と過ごした時間を懐かしむ表現にも使用できます)
【例文①】
去年、天国に旅立ったおじいちゃんに思いを馳せた。
【例文②】
まだ母犬が小さかった頃に思いを馳せながら、子犬を抱っこしていました。
例文③未来に(時間に対して)思いを馳せる時
未来に予定されている物事や、これから起こる可能性のある物事について、「こうなれば良い」「こうなるかもしれない」と思い浮かべている時などに使われます。
【例文①】
荷物をまとめている彼を見ると、これから始まる海外生活に思いを馳せているようでした。
【例文②】
友人の子供を抱っこして、いつか私も子供がいる未来へ思いを馳せました。
【思いを馳せるを使う時の注意点】
「思いを馳せる」は「想いを馳せる」と使われる場合もあります。
意味はほぼ同じですが、ニュアンスが異なる為、使い分けることで表現を変えることができます。
想い・・・何かを目で見て心で(特別に)感じたこと(ニュアンスとしては、誰かを心に思い浮かべる等)
思い・・・対象や場面を限定せず、自ら頭の中であれこれと考えていること
「思いを馳せる」の類義語・言い換え2選
『思いを馳せる』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 思いを巡らす
- 思いを募らせる
類義語①思いを巡らすの意味
あれこれと多方面に心を働かせる。
引用:goo辞書
昨晩、3年付き合っている彼と将来の話をしていたので、私は結婚について、思いを巡らしていた。
類義語②思いを募らせるの意味
物事への感情がしだいに強くなることなどを意味する表現。
引用:weblio辞書
最近実家に帰れていないので、飼っているペットに思いを募らせる。
「思いを馳せる」と「思いを寄せる」の違いは?
「思いを馳せる」と「思いを寄せる」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「思いを馳せる」には、遠く離れている人や物事を思うという意味がありますが、
それに対し「思いを寄せる」には、人に特定の感情を抱く・人に気持ちを向けるという意味があります。
「思う」対象は、ほとんど一緒ですが、感情や思考が異なります。
「想いを寄せる」については、特に異性に対して恋愛感情を抱くさまを表すことが多いです。
「思いを馳せる」は英語で『think about〜』
思いを馳せるは英語の『think about〜』に言い換えることができます。
直訳すると「〜について考える」となりますが、使い方によっては、「遠くの人や物事を思う」と伝えることができます。
英語の『think about〜』には
- 〜について考える
- 〜を検討する
という意味があります。
「思いを馳せる」の対義語・反対語はありません
思いを馳せるの対義語に、当てはまる言葉がありません。