「業を背負う」という言葉には、「悪業の責任を引き受ける」という意味があります。
悪い意味でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「業を背負う」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
業を背負うの意味は『悪業の責任を引き受ける』
【業の意味】
1.仏語。意志による身心の活動、行為。一般に身・口・意の三業に分ける。
2.前世の善悪の行為によって、現世においてうける応報。
3.特に悪業、罪業をいう。
4.「ごうはら(業腹)」の略。
引用:コトバンク
業を背負うの読み方は「ごうをせおう」です。
語源はわかりませんでしたが、特に悪業という意味での「業」を背負って生きている状態を表す言葉です。
悪業は現世だけでなく前世でのことも含みます。
『業を背負う』には
- 悪業の責任を引き受ける
などの意味があります。
「業を背負う」の正しい使い方を例文で紹介!
「業を背負う」は、前世や現世の悪業の責任を引き受けるという意味で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
人生不幸続きなので何か業を背負って生きているのだろうか。
例文②
罪を犯せば、業を背負って生きていくことになる。
例文③
私も気付いていないだけで業を背負って生まれてきたのだと思います。
例文④
とにかく運が悪いので業を背負ってるのかもしれない。
例文⑤
業を背負っているとしても来世には持ち越したくない。
【業を背負うを使う時の注意点】
ビジネスシーンなど公的な場ではあまり使いません。
「業を背負う」の類義語・言い換え3選
『業を背負う』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 宿命を背負う(宿命)
- 因縁を背負う(因縁)
- 十字架を背負う(十字架)
類義語①宿命を背負うの意味
生まれる前の世から定まっている人間の運命。宿運。しゅくみょう。
引用:goo辞書
彼は犯罪者の息子という宿命を背負って生きていくことになる。
類義語②因縁を背負うの意味
1.仏語。物事が生じる直接の力である因と、それを助ける間接の条件である縁。すべての物事はこの二つの働きによって起こると説く。
2.前世から定まった運命。宿命。
3.以前からの関係。ゆかり。
4.物事の起こり。由来。理由。
5.言いがかり。
引用:Weblio辞書
占い師によると皆それぞれ因縁を背負って生きているそうだ。
類義語③十字架を背負うの意味
- 木を十字形に組み、罪人を磔 (はりつけ) にするときに用いた処刑道具。
- 《イエスが磔にされたところから》キリスト教を象徴する十字形のしるし。贖罪 (しょくざい) の犠牲、罪や死に対する勝利、また苦難を表す。早くから礼拝の対象とされた。クロス。クルス。
- 罪の意識や課せられた苦難などをたとえていう語。
引用:goo辞書
知人は事故の際に友達を見殺しにしてしまったと重い十字架を背負って生きている。
「業を背負う」は英語で『karma』
業を背負うは英語の『karma』に言い換えることができます。
英語の『karma』には
- 業
- 報い
という意味があります。
「業を背負う」の対義語・反対語は『徳を積む』
業を背負うの対義語は、『徳を積む』になります。
徳を積むの意味
善行・徳行を重ねて実践すること、善い行い・徳の高い行い・気高く立派な行いを(一度ならず幾度も)積み重ねること。
および、そうした立派な行動の積み重ねによって、人徳を高めること、あるいは神仏の加護を得ようとすること。
引用:Weblio辞書
徳を積むには
- 善行・徳行を重ねて実践すること
- 人徳を高めること
- 神仏の加護を得ようとすること
などの意味があり、善い行いをするという意味で用いられます。
宝くじが当たるように徳を積んでおこう。
「業を背負う」は前世や現世の悪業の責任を引き受ける(引き受け続ける)という意味ですが、
「徳を積む」は少し先のことや来世へ向けて善い行いをしていくという意味です。