『留意致します』という言葉には、「気を付けます」という意味があります。
ビジネスシーンや目上の人に対してよく使われる言葉ですが、
正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、『留意致します』の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
『留意致します』の意味は『気を付けます』
【留意いたしますの意味】
留意とは、「気を付ける」、「心に留める」という意味のこと。「留」には「場所や状態に留める」という意味、「意」には「おもい」や「おもう」、「心」などの意味がある。留意を英語で表現するときには、「attention」や「pay attention」、「take notice」などの表現を使うことが多い。
引用:Weblio辞書
『留意いたします』の読み方は「りゅういいたします」です。
『留意』という熟語と『致します』という敬語表現が組み合わさった表現です。
『留』は、「場所や状態に留める」「その位置から動かない」
『意』には「おもい」「かんがえ」、「内容」「わけ」という意味があります。
『留意いたします』には
- 気を付けます
- 心に留めます
などの意味があります。
『留意致します』の正しい使い方を例文で紹介!
『留意致します』は、ビジネスシーンや目上の人に対してよく使われます。
前述したように、『留意』という熟語に『致します』という敬語表現が組み合わさった表現です。
使用される場面はほぼ同じですが、『致します』の他の言葉が組み合わさることでニュアンスが少し変化することもあります。
例文も併せて解説していきます。
例文① 『留意』+『致します』
『留意』+『致します』は、ビジネスシーンや目上の人に対して使われます。
【例文①】
ガラス製品の為、取り扱いには留意致します。
【例文②】
ご指摘いただいた件に関しては、以後十分留意致します。
例文② 『留意』+『します』
『留意』+『します』も同様にビジネスシーンで使われます。
例文①で上げた『留意致します』とは異なり敬語表現ではないので、
自らが行うことに対して、クライアントよりも上司に説明する際などに使うことが多いと考えられます。
クライアントに対しては、『致します』の方がより丁寧な印象で適しているでしょう。
【例文①】
先の会議で挙がった前期の改善点について、留意します。
【例文②】
今後同じミスを繰り返すことがないよう、留意します。
例文③ 『留意』+『ください』
『留意』+『ください』、または『ご留意ください』は、丁寧な表現に聞こえるかもしれません。
しかし、『ください』は要求や命令のニュアンスが含まれており、目上の方や上司に対して使うのは避けた方がベターです。
なので、上司や目上の方に対して『ご留意ください』のみでの使用は失礼にあたるとされています。
どうしても使いたい場合には、次のような言い回しにするとよいでしょう。
【例文①】
新人採用担当者の皆様、
次の点にご留意くださいますようお願い申し上げます。
【例文②】
お荷物のの取違いが増えております。
お帰りの際、ご留意いただけますと幸いです。
【『留意いたします』を使う時の注意点】
敬語表現が入っている、目上の人に使うことが多い表現です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文を参考に、正しく使い分けていきましょう。
『留意致します』の類義語・関連用語4選
『留意致します(留意する)』の類義語や関連用語は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 注意・用心・配慮・考慮
- ご承知おき
- ご自愛
- 留意点・留意事項
類義語① 『注意・用心・配慮・考慮』の意味
『留意』よりも警戒度が高いのが『注意』、
伝える相手以外に心配りが必要な場合は『配慮』、
考えておいてほしい場合には『考慮』がそれぞれ相応しいでしょう。
類義語② 『ご承知おき』の意味
「ご承知おきください」とは、事情を知ること・依頼や要求を受け入れること・相手の事情を理解して許すことを意味する「承知」を「おく」、つまり心に留めるようへりくだって依頼する言葉である。
引用:Weblio辞書
5日前以降はキャンセル料がかかりますので、予めご承知おきください。
類義語③ 『ご自愛』の意味
自愛の丁寧な言い方。「ご自愛下さい」などと言う場合は、「自分自身を大切になさって下さい」といった意味。手紙や電子メールなどで、よく使われる。「御自愛」とも書く。
引用:Webilo辞書
時節柄、お身体ご自愛くださいませ。
関連用語①『留意点・留意事項』の意味
「留意」の語は「注意」と同様、「留意点」「留意事項」といった表現としても用いられる。「留意点」ならびに「留意事項」は大抵の場面では「注意点」「注意事項」とほぼ同義の表現として使えるが、「心に留めておく」という意味合いが色濃い。新たな情報を得る、あらためて念頭に置く、積極的に意識を向ける、といった意味合いを表現する場合は「留意」より「注意」の語を用いた方がしっくり来る場合が多い。
引用:Weblio辞書
『留意』の慣用表現のような表現として、
『留意点』『留意事項』が挙げられます。
『留意致します』は英語で【 pay(give) attention to 】等
『留意致します』は英語の【pay(give) attention to】【take notice of 】等のいくつかの表現で言い換えることができます。
pay(give) attention to
《pay [give] (one's) attention to》~に注意[留意・注目]する、~に注意を払う[注ぐ]、~に気を配る[留める]、~を注意して[ちゃんと]聞く
引用:英辞郎
英語の【pay(give) attention to】には
- 気を配る
take notice of
~に気付く、~に注目する
・Don't take any notice of it. : そんなこと気にすることないよ。
・Take notice of how a man treats his mother because that's the way he will treat me. : 男性が母親に接する態度に注目しなさい。それが彼の女性の扱い方です。
引用:英辞郎
【take notice of】には
- 留意する
- 気を配る
という意味があります。
『留意致します』の対義語・反対語は『油断』『失念』
『留意』の対義語は、『油断』『失念』になります。
油断
[名](スル)たかをくくって気を許し、注意を怠ること。「—なく目を配る」「—してしくじる」
引用:Webilo辞書
『油断』には
- ある物事に対して気をつけない事
という意味があります。
失念
「失念」とは、主にビジネスシーンやフォーマルな文脈において「うっかり忘れること」の意味で用いられる文語的な表現である。「申し訳ありません、失念していました」のように言えば「すみません、ど忘れしてました」という趣旨を真摯なニュアンスで表現できる。
引用:Webilo辞書
『失念』には
- 注意を払わない様
- うっかり忘れてしまう事
などの意味があり、それぞれ『留意致します』の対義語として考えられます。
下記のような用いられ方をする単語です。
会議の議事録を送るのをすっかり失念していた。