「哲学」という言葉には、「人間の存在や宇宙、道徳、知識、真理などについて深く考察する学問。または自分自身の経験などから作りあげた人生観・世界観。物事に対する基本的な考え方や理念」という意味があります。
学問などの分野でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「哲学」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「哲学」の意味は『世界や人生など根本原理を追求する学問。または各人の経験に培われた人生観・世界観』
【哲学の意味】
- 世界・人生などの根本原理を追求する学問。古代ギリシャでは学問一般として自然を含む多くの対象を包括していたが、のち諸学が分化・独立することによって、その対象領域が限定されていった。しかし、知識の体系としての諸学の根底をなすという性格は常に失われない。認識論・論理学・存在論・倫理学・美学などの領域を含む。
- 各人の経験に基づく人生観や世界観。また、物事を統一的に把握する理念。「仕事に対しての―をもつ」「人生―」
引用:goo辞書
哲学の読み方は「てつがく」です。
語源は古典ギリシャの「philosophia(フィロソフィア)」に由来し、「sophia(智)をphilein(愛する)」という意味です。
- 「哲」は賢い・聡い・利口・ 物事に精通している
- 「学」は学ぶ・知る・習う・まなびや
の2つが合わさってできた言葉です。
『哲学』には
- 世界・人生などの根本原理を追求する学問
- 各人の経験に基づく人生観や世界観
- 物事を統一的に把握する理念
などの意味があります。
「哲学」の正しい使い方を例文で紹介!
「哲学」は、学問などの専門分野だけでなく、日常生活からビジネスシーンまで使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
「善や悪」「生や死」など実態がないものを追求するのが「哲学」である。
例文②
古代ギリシャの「哲学」が現代の様々な分野の学問の基礎となった。
例文③
「哲学」を学ぶことは「知を愛する」ことであり、考える力が身につく。
例文④
仕事の在り方を見ていれば、自ずとその人の仕事に対しての「哲学」が垣間見える。
例文⑤
大谷翔平に野球への「哲学」を聞けば、彼の野球への取り組み方が分かるだろう。
【哲学を使う時の注意点】
哲学は「世界の真理や、人生などの原理を追求する学問」としての意味合いと、「自身の仕事の在り方、物事の考え方などを姿勢を示す」意味合いとに分かれます。後者の方はビジネスシーンでもよく使用されます。
「哲学」の類義語・言い換え5選
『哲学』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 思想
- イズム
- 教旨
- 主義
- 形而上学
類義語①思想の意味
- 心に思い浮かべること。考えること。考え。「新しい―が浮かぶ」「普天下の人をして自由に―し」〈中村訳・自由之理〉
- 人生や社会についての一つのまとまった考え・意見。特に、政治的、社会的な見解をいうことが多い。「反体制―を弾圧する」「末法 (まっぽう) ―」「危険―」
- 哲学で、考えることによって得られた、体系的にまとまっている意識の内容をいう。
引用:goo辞書
彼の思想には、私も共感するところがある。
類義語②イズムの意味
- 主義。主張。学説。「―を異にする」「―にとらわれる」
- 多く固有名詞の下に付いて、特有な主義・流儀・傾向などの意を表す。「早稲田―」「三菱―」
引用:goo辞書
彼と私とはイズムが違う。
類義語③主義の意味
- 持ちつづけている考え・方針・態度など。
- 思想・学説・芸術理論などにおける一定の立場。イズム。「実存―」「自然―文学」
- 特定の原理に基づく社会体制・制度など。「資本―」
引用:goo辞書
彼の主義は身勝手極まりない。
類義語④教旨の意味
- 教えの趣旨。
- 宗教の趣旨。
引用:goo辞書
各大学の教旨を見てみると様々なことが学べる。
類義語⑤形而上学の意味
- アリストテレスでは、あらゆる存在者を存在者たらしめている根拠を探究する学問。すなわち第一哲学または神学。
- 現象的世界を超越した本体的なものや絶対的な存在者を、思弁的思惟や知的直観によって考究しようとする学問。主要な対象は魂・世界・神など。
引用:goo辞書
現実主義な彼女は、形而上学に全く興味がない。
「哲学」と「倫理」の違いは?
「哲学」と「倫理」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「哲学」には各自身の経験や思考に培われた人生観や世界観という意味がありますが、
それに対し「倫理」には、人として守るべき道や道徳という意味があります。
よく倫理と哲学は混同される場合が多いですが、「哲学」は「各人の経験から得られた基本的な考えや人生観」で、「倫理」は「道徳やモラル」と考えればよいでしょう。
「哲学」は英語で『philosophy』
〈用語〉は英語の『philosophy』に言い換えることができます。
英語の『philosophy』には
- 哲学や原理
- 経験に基づいた人生観
という意味があります。
「哲学」の対義語・反対語はない
哲学の対義語は、ありません。