「注視」という言葉には、「じっと見つめること」という意味があります。
対象物を積極的にじっと見ることを表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「注視」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「注視」の意味は『じっと見つめること』
注視の読み方は「ちゅうし」です。
語源は漢字の「注(チュウ)」と「視(シ)」から来ており、
- 「注」は一点に集中させる
- 「視」は気をつけて見る
の2つが合わさってできた言葉です。
『注視』には
- 注意深くじっと見る
という意味があります。
「注視」の正しい使い方を例文で紹介!
「注視」は、注意深くじっと見ることを表現し文章の中でよく使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
出し抜かれないように、姉の動向を注視しなければならない。
例文②
株の値動きを注視したほうがいい。
例文③
悪化しないように、容態を注視する。
例文④
厳しい目で注視されたので、嘘がバレるかと思った。
【注視を使う時の注意点】
ただじっと見つめるのではなく集中して注意深く見ると表現するときに使いますが、主に文章を書くときに用いられます。
「注視」の類義語・言い換え5選
『注視』の類義語や言い換えの言葉を5つご紹介します。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 凝視
- 見詰める
- 見入る
- 観察
- 熟視
類義語①凝視の意味
イケメン過ぎて、思わず凝視してしまった。
類義語②見詰めるの意味
猫を見詰めていたら、見詰め返してくれた。
類義語③見入るの意味
読み方:みいる
1 (見入る)気をつけて見る。じっと見つめる。また、見とれる。「合格者発表の掲示に—・る」
2 外から中を見る。のぞき込む。「家ノ奥ヲ—・ル」〈和英語林集成〉
3 (「魅入る」と書き、多く受身の形で用いる)執念ぶかくとりつく。たたる。「死霊に—・られる」
引用:weblio辞書
その作品の迫力に、思わず見入ってしまった。
類義語④観察の意味
読み方:かんさつ
[名](スル)
1 物事の状態や変化を客観的に注意深く見ること。「動物の生態を—する」「—力」
2 《「かんざつ」とも》仏語。智慧によって対象を正しく見極めること。
引用:weblio辞書
蝉が羽化するのを観察していたら、蚊に刺された。
類義語⑤熟視の意味
熟視して、美味しい梨を選ぶ。
「注視」と「注目」の違いは?
「注視」と「注目」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「注視」には注意深くじっと見つめるという意味がありますが、
それに対し「注目」には、見つめること・関心を寄せることという意味があります。
どちらにも視線を向けるという意味がありますが、「注視」は集中してじっと見るという場合に使われます。また、「注目」には興味・関心を持って目(意識)を向けるという意味があります。
「注視」は英語で『gaze』
注視は英語の『gaze』に言い換えることができます。
英語の『gaze』には
- じっと見る
- 注視
という意味があります。
「注視」の対義語・反対語は『瞥見』
注視の対義語は、『瞥見』になります。
瞥見には
- ちらっと見ること
- 短時間で目を通すこと
という意味があり、主に文章語として用いられます。
「注視」には注意深くじっと見るという意味があるため、ちらっと見ることを意味する「瞥見」とは、積極性や見る対象の重要度が大きく異なります。そのことから、「注視」と「瞥見」は反対語と言えるでしょう。