「美徳」という言葉には、美しい品性、道徳的に立派な行いという意味があります。
人として望ましい行為や、立派な心のあり方などを表現したい時によく使われる概念的な言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「美徳」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「美徳」の意味は『美しい徳。道にかなった行い』
美徳の読み方は「びとく」です。
語源は、古代ローマ人が使用していた、体力、勇気、道徳的正しさなど、人間の優れた性質すべてを指すvirtusというラテン語に由来しています。
- 「美」は見た目にすばらしい、美しくする、味わってみて見事だ、立派である、ほめ称える
- 「徳」は立派な行いや品性、優れた人格者、恩恵、もうけ
の2つが合わさってできた言葉です。
『美徳』には
- 美しい精神
- 個人や社会に対して好ましい行動
などの意味があります。
「美徳」の正しい使い方を例文で紹介!
「美徳」は、人として価値がある望ましい行為や、清らかで立派な心のあり方である事を表す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
日本人は謙虚な気持ちや礼儀正しさを美徳とする人が多い。
例文②
努力は成功へとつながる美徳である。
例文③
人の助けに対して感謝の気持ちを持つことは美徳である。
例文④
住んでいる国によって美徳とされていることは異なる。
例文⑤
アメリカでは挑戦することが美徳と考えられている。
【美徳を使う時の注意点】
「美徳」は社会的、道徳的に美しく立派な行動を指しますが、行動のルールそのものではありません。
「美徳」の類義語・言い換え5選
『美徳』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 徳業
- 仁徳
- 篤行
- 善
- 善良さ
類義語①徳業の意味
長い時間をかけて徳行を重ね、人々の尊敬を集める。
類義語②仁徳の意味
困った時に周りから助けてもらえるのは、彼の人徳だ。
類義語③篤行の意味
彼はいつも篤行を重んじ、地域の発展に尽力している。
類義語④善の意味
よいこと。道義にかなっていること。また、そのような行為
引用:weblio辞書
善は急げ、ということわざの意味を調べる。
類義語⑤善良さの意味
形容動詞「善良だ」が、接尾語「さ」により体言化した形。
引用:weblio辞書
彼の善良さには多くの人をひき付ける魅力がある。
「美徳」と「美学」の違いは?
「美徳」と「美学」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「美徳」には道徳的な行いという意味がありますが、
それに対し「美学」には、美しさに関する個人の価値観や行いという意味があります。
「美徳」と「美学」の違いは、社会的、道徳的によいとされる行いかどうかです。
「美徳」は個人の主観関係なく、社会的に美しくよいとされる行動を表します。
一方「美学」は、個人の主観的な評価の中だけで美しさを表す言葉であり、使用する人の感性や育ってきた環境によって基準が異なります。
「美徳」は英語で『virtue』
美徳は英語の『virtue』に言い換えることができます。
英語の『virtue』には、
- 徳、美徳・徳行・善行
- 道徳的美点・徳目
- (女性の)貞操・(ものの)美点・長所
- 力
という意味があります。
「美徳」の対義語・反対語 は『悪徳』
美徳の対義語は、『悪徳』になります。
悪徳には
- 道義に外れた言行
などの意味があり、社会的、道徳の概念から背いた言動に用いられます。
美徳と悪徳は、言動が社会的、道徳的に良いことか悪いことかで判断します。