「精励」という言葉には、「一生懸命励むこと」という意味があります。
仕事や勉強を頑張る様子を伝える時によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「精励」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「精励」の意味は『自分の力を尽くして頑張ること』
精励の読み方は「せいれい」です。
語源は、漢字の「精」と「励」から成り立っており、
- 心身の力・魂・混じり気がないという意味を持つ「精」
- 力を込めて実行する「励」
の2つが合わさってできた言葉です。
『精励』には
- 一生懸命に励むこと
- 精一杯努力すること
などの意味があります。
「精励」の正しい使い方を例文で紹介!
「精励」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①ビジネスの場において頑張る、または頑張ってほしい旨を伝えたい時
取引先とのメールのやりとりなど、ビジネスシーンで使われます。
【例文①】
これからも日々の業務に全力で精励してまいります。
【例文②】
今後もご精励くださいますようお願い申し上げます。
例文②一生懸命頑張っている様子として使用する時
人が勉学や業務に一生懸命取り組んでいる様子を伝える時に使われます。
【例文①】
長年、当社の業務に精励した方を表彰する。
【例文②】
念願の留学をした彼女は、日々勉学に精励している。
【精励を使う時の注意点】
「精励」は特にビジネス面で目上の方に、頑張ってください・頑張ります、という意味を伝えたい時に、丁寧かつ有効な言葉です。
なぜなら、「頑張る」という言葉は命令形で、同僚や部下には使用しても問題ありませんが、年上の方には失礼に当たるからです。
TPOを考慮して、他の類義語を使い分けるようにしてください。
「精励」の類義語・言い換え5選
『精励』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 努力
- 奮闘
- 尽力
- 最善を尽くす
- 勤しむ
類義語①努力の意味
ある目的のために力を尽くして励むこと。「―が実る」「たゆまず―する」「―家
引用:goo辞書
長年の努力が実り、コンテストで入賞することができた。
類義語②奮闘の意味
- 力をふるって戦うこと。奮戦。「強敵を相手に―する」「孤軍―」
- 力いっぱい努力すること。「問題解決のために―する」
引用:goo辞書
子育てに奮闘していると、一日があっという間に過ぎる。
類義語③尽力の意味
ある目的の実現のために、力を尽くすこと。「町の復興に―する」
引用:goo辞書
彼は医療の発展に尽力した人物だ。
類義語④最善を尽くすの意味
取り得る手立ての中で最も善いと思われることを全て行う、全力で事に当る、といった意味の言い回し。
引用:weblio辞書
最悪な状況を脱するために、最善を尽くす。
類義語⑤勤しむの意味
熱心につとめ励む。精を出す。「勉学に―・む」
引用:goo辞書
勉学に勤しむのが大切なのは、学生だけでなく社会人でも同じだ。
「精励」と「精進」の違いは?
「精励」と「精進」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「精励」には勉学や仕事などに精を出して励むという意味がありますが、
それに対し「精進」には、一つのことに精神を集中して励むこと、一生懸命に努力することという意味があります。
両方とも、精を出して励む、一生懸命努力する、という意味がありますが、「精励」は勉強や学業に対して使用することが多い言葉です。
一方で「精進」は雑念を捨てて集中する、修行するといったように精神的な意味合いも含まれます。
これは語源が仏教用語であることが関係しているようです。
混同しやすい言葉ですので、文脈や主旨によって使い分けに注意が必要です。
「精励」は英語で『diligence』
精励は英語の『diligence』に言い換えることができます。
英語の『diligence』には
- 勤勉
- 精励
という意味があります。
「精励」の対義語・反対語は『怠惰』
精励の対義語は、『怠惰』になります。
怠惰には
- なまけてだらしない様子
などの意味があり、すべきことをしない様子を表現する時に用いられます。
「精励」は、精一杯頑張る、尽力するという意味であるのに対し
「怠惰」は、「怠」「惰」共に、怠るという意味を持っています。