「浮上」という言葉には、「水中から水面に浮かび上がる、隠れていたものが表面に現れる」という意味があります。
水面に浮かぶという意味はもちろん、課題や考えが明らかになることや成績や順位にも使われる言葉ですが、ネット上でも使用されるため、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「浮上」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「浮上」の意味は『水中から水面に浮かび上がる』
浮上の読み方は「ふじょう」です。
語源は漢字の「浮(ふ)」と「上(じょう)」から成り立っており、
- 「浮」は浮く、浮かぶ
- 「上」は位置関係で、基準とするものより高い方、高い所
の2つが合わさってできた言葉です。
『浮上』には
- 水中から水面に浮かび上がること。
- 隠れていたものや目立たなかったものが表面に現れること。
- 成績などが下位から上位になること。
などの意味があります。
「浮上」の正しい使い方を例文で紹介!
「浮上」は水中のものをはじめ、考えや成績などが浮かんで上がることを表すときや、ネット上でも使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①ものが水面に上がる時
何かが水面に浮かんでくるのを表現する時に使われます。
【例文①】
潜水艦が浮上する瞬間をとらえた。
【例文②】
ペンギンは肺呼吸のため、水中では息を止めて、水面に浮上してから呼吸をします。
例文②隠れていたものが表面に出てくる時
それまで隠れていたもの、分からなかったものが明らかになる時に使われます。
【例文①】
彼の名前が捜査線上に浮上してきた。
【例文②】
プロジェクトを進めていくと、新たな課題が浮上してきた。
例文③成績や順位が上がる時
成績や順位がそれまでより上にあがる時に使われます。
【例文①】
この試合に勝てば、チームは2位に浮上する。
【例文②】
今大会で好成績をおさめた結果、上位リーグに浮上することが決定しました。
例文④ネット上で使用する時
ネット上で「浮上」は、SNSやゲームなどのサービスにログインして活動していることを表す言葉として使われます。
【例文①】
仕事がひと段落ついたので、久々にこのゲームに浮上できました。
【例文②】
子育てで忙しくなってきたので、しばらく低浮上になります。
【浮上を使う時の注意点】
「浮上」は水面に上がる、隠れていたものが表面に出てくる、順位が上がるなどの意味で使われますが、ネット上ではログインして活動するという意味で使われているおり、文脈によって意味が変わってくるため、注意が必要です。
「浮上」の類義語・言い換え2選
『浮上』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 上昇
- 露呈
類義語①上昇の意味
より高い位置、高い程度に向かってゆくこと。上がってゆくこと。
引用:goo辞書
新しい勉強法を取りれたら、成績が上昇しました。
類義語②露呈の意味
隠れていた事柄が表面に現れ出ること。また、さらけ出すこと。
引用:goo辞書
調査の結果、人為的なミスがあったことが露呈した。
「浮上」と「浮揚」の違いは?
「浮上」と「浮揚」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「浮上」には『水中から水面に浮かび上がること』という意味がありますが、
それに対し「浮揚」には、『浮かびあがること。また、浮かびあがらせること』という意味があります。
「浮上」と「浮揚」はどちらも、水中や空中などにあったものが上昇するという意味で使われます。
また、景気や成績など抽象的なものにも用いられる点においても同様のため、どちらの言葉も同じ場面で使うことのできる同義語と言えます。
「浮上」は英語で『levitation』
浮上は英語の『levitation』に言い換えることができます。
英語の『levitation』には
- 空中浮揚
- 浮上
という意味があります。
「浮上」の対義語・反対語は『沈下』
浮上の対義語は、『沈下』になります。
沈下には
- 沈んで位置が下がること
という意味があり、主に地面や建物などが沈む様子を表すときに用いられます。
「浮上」は物体だけでなく景気や成績などの抽象的なものの様子を表すときにも使われますが、「沈下」は抽象的な表現に使われることはありません。