「事例」という言葉には、「前例となる事実」という意味があります。
ビジネスシーンや日常生活の中でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「事例」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「事例」の意味は『前例となる事実』
事例の読み方は「じれい」です。
語源は漢字の「事」と「例」から来ており、
- 「事」は自然または人事の現象
- 「例」は前にすでにあったこと
の2つが合わさってできた言葉です。
『事例』には
- 前例となる事実
- 具体的な実例
などの意味があります。
「事例」の正しい使い方を例文で紹介!
「事例」は、ある物事について説明したり考察したりする際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
卒業論文には事例研究という手法を取り入れよう。
例文②
社員教育の一環として、顧客満足度の上がった接客事例をいくつか取り上げます。
例文③
これらの成功事例を応用して今回のプロジェクトを進めていきましょう!
例文④
この問題については、事例に基づいて検討した上で判断しよう。
例文⑤
購入を検討されているお客様に導入事例を紹介し、自社製品の良さをアピールしよう。
【事例を使う時の注意点】
事例は過去に実際に起こった事柄を意味する言葉です。
そのため、まだ起こっていない出来事には使えないので注意が必要です。
「事例」の類義語・言い換え5選
『事例』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 代表
- 実例
- 出来事
- 案件
- 場合
類義語①代表の意味
[名](スル)
⒈ その中の一部であるものが全体をよく表していること。また、そのもの。「日本を—する風景」「若者を—する意見」
⒉ 法人・団体や多数の人に代わって、その意思を他に表示すること。また、その人。「卒業生を—して答辞を述べる」「世界会議の日本—」
⒊ その技術や能力が特にすぐれているということで、ある集団の中から選ばれた人。「—選手」
引用:weblio辞書
従業員の中から代表して接客コンテストに出場することになった。
類義語②実例の意味
実際にあった事例。「—を挙げて説明する」
引用:weblio辞書
実例を挙げて意見することで説得力が生まれる。
類義語③出来事の意味
社会や身のまわりに起こる事柄。また、ふいに起こった事件・事故。「一瞬の—」
引用:weblio辞書
写真を振り返ると、これまでの出来事がつい最近起きたことのように思える。
類義語④案件の意味
この案件をやり遂げれば、自分の成長に繋がるはずだ。
類義語⑤場合の意味
⒈ 物事が行われているときの状態・事情。局面。「—が—だけに慎重な判断が必要だ」「時と—による」「遊んでいる—ではない」
⒉ もし、ある事が起こったとき。そうなった折。「万一の—に備える」
⒊ …に関して。…について言えば。「君の—は合格が難しい」
引用:weblio辞書
万一の場合に備えて、自宅付近の避難先を調べておきましょう。
「事例」と「事案」の違いは?
「事例」と「事案」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「事例」には前例となる事実という意味がありますが、
それに対し「事案」には、問題になっている事柄という意味があります。
どちらもある事柄を意味するのは共通しています。
しかし、「事例」は過去に実際に起こった事柄を指す言葉であるのに対し、「事案」は過去・現在・未来どの場面の出来事にでも使える言葉です。
「事例」は英語で『case』
事例は英語の『case』に言い換えることができます。
caseの意味
- 場合、状況
- 実例、事例、ケース
- 〔病気の〕症状、症例
- 〔症例としての〕患者
- 事実、現実、真相
- 問題、難問、困難
- 〔警察などの公的機関が捜査すべき〕事件、事態
- 《法律》訴訟、裁判事件◆【同】court case
- 《法律》〔主張の〕論拠、証拠
- 〔賛否の〕議論、主張
- 〈話〉変人、奇人、変わり者
引用:英辞郎
英語の『case』には
- 場合・状況・実例・事例・ケース
- 事実・現実・真相・問題・難問・困難
という意味があります。
「事例」の対義語・反対語はない
事例の対義語は、定義されていません。
そのため、反対の意味で使う場合は
- 前例がない
- 事実とは異なる
などの言葉に言い換えるしかないようです。
今回の件は前例がないため判断が難しい。