「正当化」という言葉には、「自分の言動などを道理にかなっているように見せること」という意味があります。
自分の言動の正しさを主張する際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「正当化」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
正当化の意味は『自分の言動などを道理にかなっているように見せること』
正当化の読み方は「せいとうか」です。
語源は道理にかなっていて正しいという意味の「正当」と、性質が別のものになるという意味の「化」が合わさったものです。
『正当化』には
- 自分の言動などを、道理にかなっているように見せること
などの意味があります。
「正当化」の正しい使い方を例文で紹介!
「正当化」は、自分の言動の正しさを主張する際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
彼らは環境保護という大義名分を掲げることによって、自身の愚かな行為を正当化している。
例文②
かの大統領は他国への侵略を正当化するために、自国が他国からの攻撃を受けているという嘘の情報を捏造している。
例文③
目的を正当化して犯罪に手を染めさせるのが詐欺集団の常套手段だ。
目的は必ずしも手段を正当化しないのだということを、若者達は肝に銘じるべきである。
例文④
いくら相手に傷つけられたからといって、自身の暴力行為を正当化してはいけない。
例文⑤
被告人は自身の行為を正当化しており、反省の色がまったく見えない。
【正当化を使う時の注意点】
「正当化」は、ある物事や自分の言動が正しいものであるように見せかけることですが、客観的には正しくないことや好ましくないことであることが多いです。
「君は自分を正当化するのが上手だね」などと言ってしまうと、相手を非難するニュアンスになり、相手を怒らせてしまうので注意しましょう。
「正当化」の類義語・言い換え5選
『正当化』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 自己弁護
- 弁解
- 釈明
- 保身
- 申し開き
類義語①自己弁護の意味
自分をかばうために言い開きをすること。
引用:goo辞書
今回の事件の責任をすべて現場の職員に押し付け、自己弁護ばかりする所長の姿は見苦しかった。
類義語②弁解の意味
言い訳をすること。言いひらき。
引用:weblio辞書
子どもだから仕方がないというのは何の弁解にもならない。
類義語③釈明の意味
自分の立場や考えを説明して、誤解や非難を解き、理解を求めること。
引用:goo辞書
社長はその日のうちに会見を開き、今回の事故原因について釈明した。
類義語④保身の意味
自分の地位・名誉・安全などを守ること。
引用:weblio辞書
このままでは自身の立場が危ういと察した課長は、すぐに部下に責任を擦り付け自己保身に走った。
類義語⑤申し開きの意味
非難を受けたり疑惑をまねいたりした事柄について、そうせざるをえなかった理由や身の潔白を述べること。弁明。釈明。言い開き。
引用:goo辞書
今回の問題については申し開きのしようもございません。
「正当」と「正統」の違いは?
「正当」と「正統」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「正当」には正しく道理にかなっているという意味がありますが、
それに対し「正統」には、正しい系統・血筋という意味があります。
読み方はどちらも「せいとう」で、対象が正しいことを指しますが、何に対して正しいかに違いがあります。
「正当」は道理や常識などに対して正しいことを意味しますが、「正統」は系統や血筋などに対してそれらを正しく受け継いでいることを意味する点に違いがあります。
「正当防衛」を「正統防衛」と書くとおかしくなるように、「王権の正統性」を「王権の正当性」と書くとおかしくなるので、使い分けには注意しましょう。
「正当化」は英語で『legitimate』
正当は英語の『legitimate』に言い換えることができます。
legitimateの意味
合法の、適法の、正当な、嫡出(ちやくしゆつ)の、道理にかなった、もっともな、合理的な、(笑劇・メロドラマ・映画・テレビなどに対して)本格的な、正統な、舞台劇の
英語の『legitimate』には
- 合法の・適法の・正当な・嫡出の
- 道理にかなった・もっともな・合理的な
という意味があります。
「正当化」の対義語・反対語は『不当』
正当化の対義語は、『不当』になります。
不当には
- 正当・適当でないこと
- 道理に合わないこと
などの意味があり、道理に合わないことを指す際に用いられます。
彼は自身が不当に解雇されたとして、会社を相手取り裁判所に訴えを起こした。
「正当」は道理にかなっていることを意味しますが、「不当」は道理に合わないことを意味します。