「気負う」という言葉には、「自分こそはと意気込む」という意味があります。
うまくやろうと張り切っている時によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「気負う」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
気負うの意味は『自分こそはと意気込む』
気負うの読み方は「きおう」です。
語源は相手に負けまいとして張り合う、自分こそはと勢い込むという意味の「競(きほ)う」という古語が変化してできた言葉であると言われています。
競っている人物の「自分こそは」と思う主体的な気持ちを表す言葉で、気持ちを背負い込んでいるという意味で使われるようになりました。
『気負う』には
- 心が興奮した状態で、物事に対して立派に立ち向かおうと張り切る
- 強い意志を持ち、全力で取り組む
- 盛んに張り切る
などの意味があります。
「気負う」の正しい使い方を例文で紹介!
「気負う」は、自分こそはと意気込んでいる時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
今回の任務は難しいものじゃないから気負う必要はありません。
例文②
気負わずいつも通りにやればいい。
例文③
彼は何事にも気負うことなく冷静だ。
例文④
またあの人、点数稼ぎしようと気負ってるよ。
例文⑤
表情が硬いよ、気負わずにリラックスして。
【気負うを使う時の注意点】
気負うとは、自分こそはと意気込む様子を指す時に使われます。また必要以上に張り切る人物を落ち着かせる時に「気負わないで」と言う使い方もされます。
「気負う」の類義語・言い換え5選
『気負う』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 張り切る
- 勇む
- 逸る
- 奮い立つ
- 肩肘張る
類義語①張り切るの意味
[動ラ五(四)]
1 ゆるみなく十分に張る。ぴんと張る。「―・った糸を指ではじく」「―・った筋肉」
2 元気や気力が満ちあふれる。意気込む。「―・って仕事をする」
[動ラ下二]「はりきれる」の文語形。
引用:goo辞書
今日も張り切っていきましょう!
類義語②勇むの意味
[動マ五(四)]心が奮いたつ。勇気が沸き起こる。はりきる。「—・んで試合に臨む」「喜び—・む」
[動マ下二]
1 励ます。元気づける。
「(延寿・大炊ガ)あまりに怯(おく)れたれば、—・むるなり」〈古活字本平治・中〉
2 慰める。
「詩人を—・め、愁人(しうじん)(=風流人)を慰(い)す」〈酒に梅(芭蕉)〉
引用:weblio辞書
知らせを聞いた彼は喜び勇んで出て行きました。
類義語③逸るの意味
逸る気持ちを抑えられない。
類義語④奮い立つの意味
何事かを行うために心を奮うこと。発奮すること。「奮い立つ」「奮い立たせる」などとも言う。
引用:weblio辞書
力強い演説に民衆は奮い立った。
類義語⑤肩肘張るの意味
意気込んで体に力をこめるさまを指す表現。威張る意味にも用いられる。
引用:weblio辞書
まあまあ、肩肘張らずに。深呼吸して落ち着いて。
「気負う」は英語で『rouse』
気負うは英語の『rouse』に言い換えることができます。
rouseの意味
[動]
1((形式))他〈人を〉(眠りなどから)目覚めさせる;自目覚める≪from≫
1a他〈猟の獲物を〉(ねぐらなどから)狩り出す;自狩られて飛び出る≪from≫
2他〈人を〉覚醒させて(…)させる≪to≫,(…するよう)奮い立たせる,奮起させる≪to do≫,(ショックなどから)立ち直らせる≪from≫
- I was roused to action.
- 行動に打って出た
3他((形式))〈感情などを〉かき立てる,喚起する
- rouse strong [mixed] feelings
- 強い[複雑な]感情をかき立てる
3a他〈醸造中のビールを〉かき混ぜる
4他〔通例受身形で〕〈人を〉(激情に)駆り立てる,興奮させる≪to≫;自〈激情が〉沸き立つ(up)
[名]U
1目覚め,起床;起床合図
1a(獲物の)狩り出し
2奮起,鼓舞
3喚起
引用:goo辞書
英語の『rouse』には
- 起き上がる
- 奮起させる
という意味があります。
「気負う」の対義語・反対語は『ひるむ』
気負うの対義語は、『ひるむ』になります。
ひるむの意味
[動マ五(四)]
1 おじけづいてしりごみする。気後れする。「相手の剣幕に—・む」
2 手足がなえる。しびれる。
「心痛く背悶(いた)むで骨—・み」〈大慈恩寺三蔵法師伝院政期点・九〉
引用:weblio辞書
ひるむには
- 気力が弱る
- くじける
- 威圧されて身がすくむ
などの意味があり、恐れを感じて気持ちが弱った時に用いられます。
あのバッグがどうしても欲しかったけど、値段を見て怯んでしまった。
気負うとは自分こそはと意気込むことを言い、怯むとは意気込む気持ちが弱った際に使われます。