「良識」という言葉には、「物事を健全に正しく判断する考え方」という意味があります。
選択肢の中から、倫理的・社会的な判断をする時の判断力という意味でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「良識」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「良識」の意味は『物事の健全な考え方』
良識の読み方は「りょうしき」です。
語源は大正時代、フランス語 『bon sens』 の訳語として登場したと言われており、
- 「良」の意味は物が優れていて、質が良い
- 「識」の意味は物事を見て知る・悟る
2つが合わさってできた言葉です。
『良識』には
- すぐれた見識
- 善悪の判断を下せる、社会的につちかわれた見識
- 物事を正しく判断する能力
などの意味があります。
「良識」の正しい使い方を例文で紹介!
「良識」は、社会的に承認されている健全な判断力、考え方を現す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
運転する時には、交通ルールを守った良識ある行動を心がけるようにしている。
例文②
彼の良識を疑う発言に、一同が絶句してしまった。
例文③
業務中に発生したお客さまとのトラブルは、冷静な判断と良識に基づいた行動が最善策である。
例文④
SNS上では、良識を持って慎重に言葉選びをするのが、円滑なコミュニケーションのコツだ。
【良識を使う時の注意点】
「良識」という言葉は、物事を偏りなく深く考えた上でくだす正しい判断の事です。
単なる判断やジャッジとはニュアンスが異なります。
「良識」の類義語・言い換え5選
『良識』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 通念(つうねん)
- 思慮
- 分別(ふんべつ)
- 心得(こころえ)
- モラル
類義語①通念(つうねん)の意味
世間一般に共通して認められている考え。「社会―」
引用:goo辞書
交差点で信号が赤なら停まるのは、社会的通念上、常識である。
類義語②思慮の意味
)注意深く心を働かせて考えること。また、その考え。おもんぱかり。「―が浅い」「―に欠ける言動」
引用:goo辞書
思慮深い彼女は、いつも私の気持ちを汲み取り言葉を選んで声をかけてくれる。
類義語③分別(ふんべつ)の意味
- 道理をよくわきまえていること。また、物事の善悪・損得などをよく考えること。「―のないことを言う」「よく―して態度を決める」
- 仏語。もろもろの事理を思量し、識別する心の働き。
引用:goo辞書
子どもに物事の分別を教えるのは、親の役割として大切なことの1つである。
類義語④心得(こころえ)の意味
- 理解していること。また、理解してとりはからうこと。「―のある処置」
- 常に心がけていなければならないこと。心構え。「日ごろの―がよくない」
- 技芸を身につけていること。たしなみ。「茶の湯の―がある」
- ある事をするにあたって注意し、守るべき事柄。「接客の―」「冬山登山の―」
- 下級の者が上級の役職を代理または補佐するときの職名。「課長―」
引用:goo辞書
職業の心得は、自分より経験の多い人や、実績を残した人に聞くのが一番である。
類義語⑤モラルの意味
道徳。倫理。「―に欠ける」
引用:goo辞書
電車内での通話は、モラルに欠ける行動だ。
「良識」と「常識」の違いは?
「良識」と「常識」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「良識」には物事の健全な考え方という意味がありますが、
それに対し「常識」には、一般の人々が共通に持つ知識や考え方という意味があります。
2つの言葉は辞書でも『考え方』という同じ表現をされ、似ていて混同しがちですが、
「良識」は判断力の事を指すのに対し、「常識」は判断するための知識や考え方というニュアンスを持っています。
人として持ちたいものは、偏りなく考え判断できる「良識」、社会の中に溶け込んで生活していくために、最低持ってなくてはならないのが「常識」です。
「良識」は英語で『common sense』
良識は英語の『common sense』に言い換えることができます。
英語の『common sense』には
- 常識
- 判断力
という意味があります。
「良識」の対義語・反対語はありません
良識の対義語は、ありません。