「干渉」という言葉には、「直接関係ないのに、口出しや手出しをすること」という意味があります。
直接関係ない人に、必要以上に関わる時によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「干渉」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「干渉」の意味は『直接関係ないのに、口出しや手出しをすること』
【干渉の意味】
- 他人のことに立ち入って自分の意思に従わせようとすること。「他人の生活に―する」
- 国際法で、一国が他国の内政・外交に、その国の意思に反して介入すること。「武力―」
- 二つ以上の同じ種類の波が重なって、互いに強め合ったり弱め合ったりする現象。音波でのうなり、光波での干渉色によるシャボン玉の色づく現象など。
引用:goo辞書
干渉の読み方は「かんしょう」です。
語源は、二股に分かれた武器の象形から成り立つ「干」と、流れる水と左右の足跡の象形から成り立つ「渉」で、
- 「干」の意味は、突き進み犯す・無理に他とかかわりを持つ・求める
- 「渉」の意味は、広く見聞する・関わる・あずかる
の2つが合わさってできた言葉です。
『干渉』には
- 直接は関係がないのに立ち入って、 あれこれと意見を押し付けたり手出しをすること
- 国際法で、一国が他国の内政・外交に、その国の意思に反して介入すること
などの意味があります。
「干渉」の正しい使い方を例文で紹介!
「干渉」は、直接関係ないのに、口出しや手出しをする時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
私は子どもが失敗して傷つくのを恐れるあまり、つい過干渉になってしまいがちだと反省した。
例文②
他人に自分の夫婦関係を干渉される筋合いはない。
例文③
国際社会では、お互いの国を尊重し内政干渉しないことが重要である。
【干渉を使う時の注意点】
子育てにおいて「干渉」という言葉が広く使われますが、あまりいい意味では使われません。
それは、干渉する側の振る舞いが正しいか間違っているかに関わらず、無理やり立ち入って意見を押し付けるという意味を持っているためです。
「干渉」の類義語・言い換え5選
『干渉』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 割り込む
- 遮る
- 口出し
- おせっかい
- 邪魔立て
類義語①割り込むの意味
- 無理に押し分けて入り込む。「順番待ちの列に―・む」「人の話に―・む」
- 取引相場で、相場がある値段より安くなる。「下限とされた線をあっさりと―・む」
引用:goo辞書
大人は子どもの話に割り込まず、最後まで聞き承認することが大切だ。
類義語②遮るの意味
- 間に隔てになるものを置いて、向こうを見えなくする。「幕で―・る」「木々に太陽光線が―・られる」
- 進行・行動を邪魔してやめさせる。妨げる。「発言を―・る」
引用:goo辞書
彼は重大トラブルを報告するために、上司の会話を遮って話し始めた。
類義語③口出しの意味
他人の話に割り込んで自分の意見を言うこと。差し出口。容喙 (ようかい) 。「だいじな話に横から―するな」
引用:goo辞書
子どもの喧嘩に親が口出しするのは、時に事態をこじらせる。
類義語④おせっかいの意味
出しゃばって、いらぬ世話をやくこと。また、そういう人や、そのさま。「―をやく」「―な人」
引用:goo辞書
相手を助ける気持ちから、ついついおせっかいになってしまうのが僕の短所だ。
類義語⑤邪魔立ての意味
わざと邪魔をすること。「よけいな―しないでくれ」
引用:goo辞書
余計な邪魔立てをして、友人を怒らせてしまった。
「干渉」と「緩衝」の違いは?
「干渉」と「緩衝」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「干渉」には、直接関係ないのに、口出しや手出しをすることという意味がありますが、
それに対し「緩衝」には、衝突や不和を和らげるものという意味があります。
「干渉」は人間関係において、意見を押し付けたり手出しをすることを現しています。
一方で「緩衝」は、人に対してではなく物に対して衝撃を和らげるという意味を持ち、人にはあまり使用しません。
通信販売などの箱に入っているくしゃくしゃの紙やビニール製のクッションは、緩衝材と呼ばれます。
「干渉」は英語で『interference』
干渉は英語の『interference』に言い換えることができます。
英語の『interference』には
- 干渉
- 妨害
という意味があります。
「干渉」の対義語・反対語は『放任』
干渉の対義語は、『放任』になります。
放任には
- 成り行きに任せること
- 干渉せず放置すること
などの意味があり、関わらずに放置していることを現す時に用いられます。
知人の子育ては基本的に放任主義だが、いざという時は適切なサポートをしている。
「干渉」は、自分に関係ないにも関わらず余計な口出しをしたり自分の意見を押し付ける事を現しています。
それに対し「放任」は干渉せずに放おっておく、という真逆の意味です。
「放任」は本来いい意味も持ち合わせている言葉ですが、成り行き、放置という意味が含まれているため、「放置」同様、悪い意味として使われる事が殆どです。