「手を上げる」という言葉には、「暴力を振るう」という意味があります。
人に暴力をふるうときなどによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「手を上げる」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
手を上げるの意味は『暴力を振るう』
手を上げるの読み方は「てをあげる」です。
語源は人を殴ろうとするときに拳を振り上げる動作からきています。
『手を上げる』には
- 暴力を振るう
- 降参する
- 上達する
などの意味があります。
「手を上げる」の正しい使い方を例文で紹介!
「手を上げる」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①暴力を振るう時
他人に対して暴力を振るう時に使われます。
【例文①】
いくらわがままを言って聞かないからって、子供に手を上げてはダメだよ。
【例文②】
うちの父はお酒が入るとすぐに手を上げる人だったから、家族全員とても苦労したのよ。
例文②降参する時
争いなどに負けて屈服する時に使われます。
【例文①】
彼の意見はもっともだから、手を上げるしかないよ。
【例文②】
昨晩あの家に泥棒が入ったらしいけど、偶然通りかかった警察官に追い込まれて犯人は手を上げたんだって。
例文③上達した時
腕前や技量が上がった時に使われます。
【例文①】
君一人でこのサイトを作っただなんて、ずいぶん手を上げたなあ。
【例文②】
彼女ピアノを習い始めて一年らしいけど、こんなに手を上げたなんてすごいわね。
【手を上げるを使う時の注意点】
「手を上げる」には上記3種類の意味がありますが、現在では「暴力を振るう」以外の意味ではほとんど使われません。
技量を上げるという意味では「腕を上げる」、降参するの意味では「お手上げ」といった語を使うことが多いでしょう。
「手を上げる」の類義語・言い換え4選
『手を上げる』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 暴力を振るう
- 降参
- お手上げ
- 腕を上げる
類義語①暴力を振るうの意味
子どもが親に暴力を振るうのには、なんらかの原因があるのよ。
類義語②降参の意味
あなたのしつこさにはもう降参だわ。
類義語③お手上げの意味
解決する手段が全くないこと。どうにもしようがないこと。
引用:goo辞書
あらゆる手を尽くしたのにどれも効果がないのだから、もうお手上げだよ。
類義語④腕を上げるの意味
あの作品、先生の作品かと思ったわ。あなたも腕を上げたじゃない。
「手を上げる」と「手を挙げる」の違いは?
「手を上げる」と「手を挙げる」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「手を上げる」には暴力を振るうという意味がありますが、
それに対し「手を挙げる」には、名乗りを上げる・挙手して意思表示するという意味があります。
どちらも読み方は「てをあげる」ですが、意味はまったく違います。
「上げる」は「下げる」の反対語であり、手を振り上げる動作が「暴力を振るう」という意味に繋がります。
一方、「挙げる」には「掲げる」「表し示す」という意味があり、単なる動作としてではなく意思表示としての挙手を指します。
例えば、「企画への参加に手を挙げる」とは、挙手によって参加意思伝えることを意味します。
「手を上げる」は英語で『use violence』『give in to』『make progress in』
手を上げるは英語の『use violence』『give in to』『make progress in』に言い換えることができます。
どの意味で用いるのかによって対応する英語が違ってきます。
英語の『use violence』には
- 暴力を振るう
という意味があります。
英語の『give in to』には
- ~に負ける
という意味があります。
英語の『make progress in』には
- 進める
- 上達する
という意味があります。
「手を上げる」の対義語・反対語は『矛を収める』『勝利』『退歩』
『手を上げる』の対義語や反対語は3つあります。
対義語①暴力を振るう意味では『矛を収める』
矛を収めるには
- 争いや攻撃をやめる
などの意味があり、争いをやめるときに用いられます。
二人とももう十分に本音をぶつけたことだし、そろそろ矛を収めてはどうだい?
対義語②降参する意味では『勝利』
勝利には
- 戦いや争いなどに勝つこと
- 利益
などの意味があり、戦いに勝ったときに用いられます。
まさかあのチームが勝利するとは思わなかったわ。
対義語③上達する意味では『退歩』
退歩には
- 後戻りすること
- 能力や技術などが以前より低くなること
- 後退
などの意味があり、腕前や技量が落ちたときなどに用いられます。
最近の商品は低価格を重視するあまり、品質がどんどん退歩しているわね。
「手を上げる」の意味には3種類あり、どの意味で用いるのかによって対義語が違ってくるので注意しましょう。