「面影」という言葉には、「記憶によって心に思い浮かべる顔や姿」という意味があります。
小説や文学作品のタイトルによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「面影」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「面影」の意味は『記憶によって心に思い浮かべる顔や姿』
【面影の意味】
- 記憶によって心に思い浮かべる顔や姿。
- あるものを思い起こさせる顔つき・ようす。
- 実際には存在しないのに見えるように思えるもの。まぼろし。幻影。
- 歌論用語で、作品から浮かびあがってくる心象。
- 「面影付け」の略。
- 名香の名。香木は伽羅 (きゃら) 。
引用:goo辞書
面影の読み方は「おもかげ」です。
語源は中国語の「面影」から来ており、
- 「面」は人の顔・おもて
- 「影」は光が物にさえぎられてできる暗い部分・物の姿や形
の2つが合わさってできた言葉です。
『面影』には
- 記憶によって心に思い浮かべる顔や姿
- あるものを思い起こさせる顔つき・ようす
- 実際には存在しないのに見えるように思えるもの。まぼろし。
などの意味があります。
「面影」の正しい使い方を例文で紹介!
「面影」は、記憶の中にある過去の姿やかたちを思い出す場面で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
今の彼女に昔の面影はない。
例文②
母の笑顔に、天国にいる祖母の面影をみた。
例文③
この街には、まだ昔の面影が残っている。
例文④
ボールを投げるおじいちゃんは、少年時代の面影をもっていた。
例文⑤
初恋の人の面影は今も忘れない。
【面影を使う時の注意点】
「面影」は過去の出来事や人や物の様子を指す言葉なので、未来を表した文章には使えないので注意しましょう。
「面影」の類義語・言い換え4選
『面影』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 偲ぶ
- 名残
- 追憶
- 片影
類義語①偲ぶの意味
昔よく遊んでいた友人を偲ぶ。
類義語②名残の意味
ある事柄が過ぎ去ったあとに、なおその気配や影響が残っていること。その気配や影響。余波 (よは) 。
引用:goo辞書
部屋に入るとパーティの名残を感じた。
類義語③追憶の意味
過ぎ去ったことに思いをはせること。過去をしのぶこと。追想。
引用:goo辞書
昔の日記を見つけて追憶にふける。
類義語④片影の意味
わずかに見えた、ものの姿。
引用:goo辞書
娘の性格は母親の片影を感じる。
「面影」と「俤」の違いは?
「面影」と「俤」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「面影」には記憶によって心に思い浮かべる顔や姿という意味がありますが、
それに対し「俤」には、顔つきが似ているという意味があります。
「俤」は日本で作られた国字で、意味は「面影」と同じです。強い気持ちを込めて使う場合は「俤」を使うと良いでしょう。
「面影」は英語で『vestige』
面影は英語の『vestige』に言い換えることができます。
英語の『vestige』には
- 痕跡(こんせき)
- 名残
という意味があります。
「面影」の対義語・反対語はありません
面影の対義語はありません。