「伏線」という言葉には、「のちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくこと」という意味があります。
ミステリー小説やサスペンスドラマ・アニメなどで、よく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「伏線」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「伏線」の意味は『のちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくこと』
【伏線の意味】
- 小説や戯曲などで、のちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくこと。また、その事柄。
- あとのことがうまくゆくように、前もってそれとなく用意しておくこと。また、そのもの。
引用:goo辞書
伏線の読み方は「ふくせん」です。
「伏」と「線」は小学2年生で習う漢字で、
- 「伏」はふせるふす・うつぶせになる・かくれる・ひそむ
- 「線」は糸のように細長く連続するもの・すじ・物事を行う道筋・方針
の2つが合わさってできた言葉です。
『伏線』には
- のちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくこと
- あとのことがうまくゆくように、前もってそれとなく用意しておくこと
などの意味があります。
「伏線」の正しい使い方を例文で紹介!
「伏線」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①「伏線の回収」の使い方
伏線の回収は、
- 結末の展開に備えて、関連した事柄をほのめかすこと
- 拾い上げていって種明かしをしていくこと
という意味で使われます。
物語の中で、事前にほのめかしていた部分や事柄が結末の内容に関係して結びついていく時に使われます。
【例文①】
昨日のドラマの最終回で、伏線を回収できて予想していた通りになったので満足感・見ごたえがありだった。
【例文②】
最終回じゃないのに、伏線の回収ラッシュが続いて、目が離せません。
例文②「伏線を張る」「伏線を敷く」の使い方
「伏線を張る」「伏線を敷く」はどちらも、
- 結末の展開に備えて関連した事柄を用意・準備しておく
という意味で使われます。
物語に限らず日常生活でも、計画していることへの事前準備のことを表すときに使われます。
【例文①】
店長に電話して、今日の遅刻に対しての伏線を張っておいた方がいいと思うぞ。
【例文②】
前回のドラマでの、伏線が敷かれていた場面に今さら気が付きました。
【伏線を使う時の注意点】
「伏線」は 「後で起こることをあらかじめほのめかすこと」または、「後のことが上手くいくように事前に準備すること」という2つの意味があります。
後半の物語の展開への盛り上がり効果もあり、小説や漫画、ドラマなどで利用される言葉ですが、攻略的なビジネスなどにも使われる言葉です。
「伏線」の類義語・言い換え4選
『伏線』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- フラグ
- 示唆
- 暗示
- 手がかり
類義語①フラグの意味
フラグとは、物語やゲームにおける展開の予兆を示す要素である。物語の中で特定の出来事やセリフが描かれることで、その後の展開や結末を予想させる手法として用いられる。また、ゲームにおいては、特定の行動を起こすことで新たなイベントが発生するトリガーとなる要素を指すこともある。
引用:weblio辞書
母の機嫌が悪いのは、私の成績表を見てしまったことがフラグだったのではないか。
類義語②示唆の意味
この展開は、彼女が犯人であるということを示唆していると思います。
類義語③暗示の意味
読み方:あんじ
- 物事を明確には示さず、手がかりを与えてそれとなく知らせること。また、そのような手がかり。サジェスチョン。
- 人の感情や考えが、言葉や絵などの間接的な手段によって無意識のうちに強制によらずにある方向に変化する現象。
引用:goo辞書
そういえば、結果が悪いことを暗示していた出来事があった。
類義語④手がかりの意味
- 手をかける所。よじ登るときにとりつく所。
- 問題を解決するためのいとぐち。
引用:weblio辞書
問題を解決する手がかりがないので困っています。
「伏線」と「フラグ」の違いは?
「伏線」と「フラグ」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「伏線」にはのちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくことという意味がありますが、
それに対し「フラグ」には、物語やゲームにおける展開の予兆を示す要素という意味があります。
「伏線」は、作者が事前にストーリーの中に意図的に組み入れた仕掛けとなりますが、
「フラグ」は読んでいる人や見ている人が自分でそうだと感じる仕掛けのことで、作者が意図的に組み込んでいるとは限らないということです。
「伏線」は英語で『foreshadow』
伏線は英語の『foreshadow』に言い換えることができます。
英語の『foreshadow』には
- あらかじめ示す・予示する
- (…の)前兆となる
という意味があります。
「伏線」の対義語・反対語はありません
伏線の対義語は、ありません。