「冒涜」という言葉には、「神聖なもの、清浄なものをおかし、けがすこと」という意味があります。
実体のない抽象的なものをけなすときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「冒涜」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「冒涜」の意味は『神聖なもの、清浄なものをおかし、けがすこと』
冒涜の読み方は「ぼうとく」です。
「冒」は中学1年生で習う漢字、「涜」は「瀆」の異字体で、
- 「冒」はけがす・おかす・無理にする
- 「涜」はけがす・けがれる
の2つが合わさってできた言葉です。
『冒涜』には
- 神聖なもの、清浄なものをおかし、けがすこと
という意味があります。
「冒涜」の正しい使い方を例文で紹介!
「冒涜」は、実体のない抽象的なものをけなすときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
食べずにいきなり醤油をかけることは料理への冒涜行為です。
例文②
神社に落書きすることは神への冒涜だと思います。
例文③
海外で冒涜行為とみなされないよう、その国の宗教などをきちんと学んでから行った方がいい。
例文④
あの言い方は神を冒涜する行為だと言われかねない。
例文⑤
この本は女性への冒涜的な表現が記されています。
【冒涜を使う時の注意点】
冒涜は、神聖なものを汚すことを意味し、神や職といったものを汚したときにいう言葉です。
「人や動物など世俗的な存在ではなく、神仏など実体のない抽象的なものに対して使われます。
「冒涜」の類義語・言い換え5選
『冒涜』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 不敬
- 涜聖
- 涜職
- 涜神
- 背徳
類義語①不敬の意味
彼の不敬な発言に怒っています。
類義語②涜聖の意味
私は涜聖の罪を犯した事はありません。
類義語③涜職の意味
彼は涜職事件で世の中を騒がせた人物です。
類義語④涜神の意味
神の名を汚し神の栄光を呪う者は、涜神の罪に問われる。
類義語⑤背徳の意味
私の中の背徳的行為とは昼間からビールを飲むことです。
「冒涜」と「侮辱」の違いは?
「冒涜」と「侮辱」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「冒涜」には神聖なもの、清浄なものをおかし、けがすことという意味がありますが、
それに対し「侮辱」には、相手を軽んじ、はずかしめること・見下して、名誉などを傷つけることという意味があります。
どちらも相手の尊厳を傷つける・汚すことは共通しています。
「冒涜」は神仏など神聖なものに対して使用する際に使われ、「侮辱」は、一般の人などに対して使用する際に使われます。
「冒涜」は英語で『blasphemy』
冒涜は英語の『blasphemy』に言い換えることができます。
英語の『blasphemy』には
- 神への不敬・冒涜
- 罰当たりの言動
という意味があります。
「冒涜」の対義語・反対語は『尊崇』
冒涜の対義語は、『尊崇』になります。
尊崇には
- 尊びあがめること
- 尊敬・そんそう
などの意味があり、あがめていること・尊敬することを表すときに用いられます。
今の担任の先生は、生徒達から尊崇される存在です。
「冒涜」は神聖なものをおかし、けがすことを指しますが、「尊崇」は尊びあがめること・尊敬することを指します。