「暗黙の了解」という言葉には、「言葉にしなくても皆が了承しているさま」という意味があります。
ビジネスシーンや日常でもよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「暗黙の了解」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
暗黙の了解の意味は『言葉にしなくても皆が了承しているさま』
暗黙の了解の読み方は「あんもくのりょうかい」です。
暗黙と了解の2つの熟語を組み合わせたものです。
- 暗黙は口に出さずに黙っていること
- 了解はよく理解すること
『暗黙の了解』には
- 口に出して明言しないものの、当事者間の理解や納得が得られているさま
- 言葉にしなくても皆が了承しているさま
などの意味があります。
「暗黙の了解」の正しい使い方を例文で紹介!
「暗黙の了解」は、ビジネスシーンだけではなく日常でも使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
公共の場で騒ぐのはご法度であることは暗黙の了解です。
例文②
会社にかかってくる電話は3コール以内に出ることが暗黙の了解です。
例文③
図書館の本を汚さないのは暗黙の了解です。
【暗黙の了解を使う時の注意点】
暗黙の了解は文章にしなくても決まり事に使う言葉です。
常識や社内ルールを守るべきものとして認識することが大切です。
「暗黙の了解」の類義語・言い換え3選
『暗黙の了解』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 阿吽の呼吸
- 暗黙のルール
- 紳士協定
類義語①阿吽の呼吸の意味
二人以上で一緒に物事を行うときの、互いの微妙な気持ち。また、それが一致すること。
引用:コトバンク
テニスのダブルスに望ましいのは阿吽の呼吸で動ける相棒です。
類義語②暗黙のルールの意味
明言あるいは明文化がされていない規則、皆が暗黙のうちに従っているルール、などの意味の表現。
引用:weblio辞書
娘の小学校では持ち物すべてに名前を書くことが暗黙のルールとなっています。
類義語③紳士協定の意味
国家または団体・個人の間で、互いに相手を信頼して公式手続きを踏まずに取り決めた約束。紳士協約。
引用:コトバンク
友人と好きな子が被ったので紳士協定を結ぼうと思っています。
「暗黙の了解」と「不文律」の違いは?
「暗黙の了解」と「不文律」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「暗黙の了解」には言葉にしなくても皆が了承しているさまという意味がありますが、
それに対し「不文律」には、 互いに心の中で了解し合っているきまりという意味があります。
暗黙の了解に比べて不文律の方が法や規則といった側面を持っています。
つまり暗黙の了解よりも不文律の方がやや強めの強制力がある言葉であると言えます。
「暗黙の了解」は英語で『tacid understanding』
暗黙の了解は英語の『tacid understanding』に言い換えることができます。
英語の『tacid understanding』には
- 暗黙の了解
という意味があります。
「暗黙の了解」の対義語・反対語は『成文法』
暗黙の了解の対義語は、『成文法』になります。
成文法には
- 一定の手続きに従って制定され、文章で表現されている法
- 法律・命令・条例・条約など。成文律。制定法
などの意味があり、法律関係の言葉としてよく用いられます。
成文法で日本で一番有名なのは日本国憲法です。
暗黙の了解は拘束力はありませんが、成文法は拘束力がある法律などになります。
会社の規定や学校の校則も成文法になるので日常的に見かけることが多いです。