「春風駘蕩」という言葉には、「春風がのんびり吹くさま」という意味があります。
物事に動じない様子を形容する際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「春風駘蕩」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
春風駘蕩の意味は『春風がのどかに吹くさま』
春風駘蕩の読み方は「しゅんぷうたいとう」です。
語源は五世紀の中国の詩人謝朓(しゃちょう)による詩からになります。
「朋情(ほうじょう)は以(も)って鬱陶(うっとう)たり 春物、方(まさ)に駘蕩(たいとう)たり」
友情では心が晴れないが、春の景色はまさにのどかであるという意味になります。
『春風駘蕩』には
- 春風が吹きのどかなさま
- のんびりして落ち着いた様子
- 物事に動じないで余裕のあるさま。ゆったりとのんびりしているさま
などの意味があります。
「春風駘蕩」の正しい使い方を例文で紹介!
「春風駘蕩」は、落ち着いた雰囲気を表す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
彼は春風駘蕩たる大人です。
例文②
春風駘蕩たる湾内の入江です。
例文③
今日は友人と春風駘蕩を感じるためにドライブに出かけます。
例文④
上司の春風駘蕩たる顔を見ていたら頼りになると感じました。
【春風駘蕩を使う時の注意点】
春風駘蕩は風景や景色の事を述べるときは春の言葉です。
性格や人柄などを示す場合には、春とは限らないので注意しましょう。
「春風駘蕩」の類義語・言い換え3選
『春風駘蕩』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 春日遅遅
- 温厚篤実
- 温柔敦厚
類義語①春日遅遅の意味
春の日のうららかでのどかなさま。また、春の日のおだやかで暮れるのが遅いさま。
引用:コトバンク
今の時期は春日遅遅でよい気候です。
類義語②温厚篤実の意味
温かで情が厚く、誠実なさま。人の性質をいう語。
引用:goo辞書
部長は温厚篤実な方です。
類義語③温柔敦厚の意味
人柄などが穏やかで優しく、誠実で人情に厚いこと
引用:weblio辞書
彼との契約をした理由は彼の人柄が温柔敦厚であるからです。
「春風駘蕩」は英語で『genial and relaxed』
春風駘蕩は英語の『genial and relaxed』に言い換えることができます。
genial の意味
明るくて優しい、愛想のよい、にこやかな、親切な、温和な、温暖な、快適な
relaxedの意味
くつろいだ、リラックスした、形式ばらない、くだけた、緩やかな、寛大な
英語の『genial ad relaxed』には
- 優しくリラックスした
- 温和で寛大な
という意味があります。
「春風駘蕩」の対義語・反対語は『秋霜烈日』
春風駘蕩の対義語は、『秋霜烈日』になります。
秋霜烈日には
- 寒暖差の激しい秋の気象状況
- 厳しい刑罰や意志
などの意味があり、厳しい状況を表現するために用いられます。
今日の会議は秋霜烈日たる状況で疲れました。
春風駘蕩と秋霜烈日は対義語の関係になる四字熟語です。
どちらも俳句や川柳などに使われる言葉なので、日常会話では通じない場合があります。