「喫緊」という言葉には、「差し迫って重要なこと」という意味があります。
政治家や国の重要な問題に携わっている人が会見などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「喫緊」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「喫緊」の意味は『差し迫って重要なこと』
喫緊の読み方は「きっきん」です。
語源は昔の中国語を元にした「吃緊」から来ており、「吃」は差別的な意があるため常用漢字ではなくなり、同じ発音の「喫」が使われるようになりました。
- 「喫」はのむ・すう ・くう・食べる・かむ・こうむる・身に受ける
- 「緊」はさしせまる・きびしい
の2つが合わさってできた言葉です。
『喫緊』には
- 差し迫って重要なこと・その様子
などの意味があります。
「喫緊」の正しい使い方を例文で紹介!
「喫緊」は、差し迫っていて非常に大切なことを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
私たちの喫緊の課題として、真剣に話し合っていかなければならないと思います。
例文②
申し訳ないが、明日の会議で使う資料を喫緊に準備してほしい。
例文③
先方の都合で喫緊の対応を迫られましたが、無事に対処することができました。
例文④
顧客からのクレームが多く、喫緊の対応が必要です。
例文⑤
政治家は口では「少子化問題は喫緊の課題だ」と言っているが、自覚しているようには思えない対策ばかりだと思います。
【喫緊を使う時の注意点】
「喫緊」は、差し迫って重要なこと・またはその様子という意味で、対処や行動をすぐにでもしなければならない状態であり非常に重要なことを表現する時に使われる言葉です。
「喫緊」には少し重々しい響きがあり、日常生活などで使う場合は大げさとだと受け取られる可能性もあるので注意が必要です。
「喫緊」の類義語・言い換え5選
『喫緊』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 緊急
- 早急
- 緊迫
- 至急
- 緊要
類義語①緊急の意味
重大で即座に対応しなければならないこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
緊急事態が起こってしまいすぐに現場に向かいました。
類義語②早急の意味
近所に熊が出没しており、早急に対処してほしいと思います。
類義語③緊迫の意味
状況などが、非常に差し迫っていること。緊張して、今にも事が起こりそうなこと。
引用:goo辞書
社長から急に呼ばれ会議室に行くと、上司全員が集まっており、緊迫した空気に緊張しました。
類義語④至急の意味
非常に急ぐこと。大急ぎ。
引用:goo辞書
娘の通う保育園から、「至急きてほしい」と連絡があり仕事を早退しました。
類義語⑤緊要の意味
この件は緊要なのですぐに対策を立てなければいけません。
「喫緊」と「緊急」の違いは?
「喫緊」と「緊急」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「喫緊」には差し迫って重要なことという意味がありますが、
それに対し「緊急」には、重大で即座に対応しなければならないことという意味があります。
「喫緊」はこれから訪れる物事への対処することを表し、「緊急」はすでに物事が起こっている・すぐに起こってもおかしくない状況へ対処することを表しています。
「緊急」は「喫緊」よりも時間的に差し迫っていることを表現する時に使われる言葉です。
「喫緊」は英語で『urgent』
喫緊は英語の『urgent』に言い換えることができます。
英語の『urgent』には
- 切迫した・火急を要する・緊急の・しきりに催促する
- うるさくせがむ・強要する・(…を)しつこく求めて・うるさくせがむような
という意味があります。
「喫緊」の対義語・反対語は『不急』
喫緊の対義語は、『不急』になります。
不急には
- 急を要しないこと・その様子
- 今すぐでなくてもよいこと・その様子
などの意味があり、急を要しないことを表す時に用いられます。
不急な用事なので、後日伺います。
「喫緊」は差し迫って重要なことという意味で、「不急」は急を要しないこと・今すぐでなくてもよいことという意味なので対義語の関係になります。