「察するに余りある」という言葉には、「相手の境遇に同情したいが、心情の甚だしさがどれほどかを想像しきれない」という意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「察するに余りある」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「察するに余りある」の意味は『相手の境遇に同情したいが、心情の甚だしさがどれほどかを想像しきれない』
【察するに余りあるの意味】
察するに余り有るとは、相手の境遇に同情したいが、あまりの状況のひどさに、その辛さ・悲しみ・怒りといった心情の強さ甚だしさがどれほどかを想像しきれない、という意味合いを表明する言い回し。
引用:Weblio辞書
察するに余りあるの読み方は「さっするにあまりある」です。
語源は、他者の気持ちを推しはかり、思いやるという意味の「察する」と、
どんなに配慮しても十分ではないことを意味する「余りある」が組み合わされた言葉です。
『察するに余りある』には
- 相手の境遇に同情したいが、あまりの状況のひどさに、その辛さ・悲しみ・怒りといった心情の強さ甚だしさがどれほどかを想像しきれない
という意味があります。
「察するに余りある」の正しい使い方を例文で紹介!
「察するに余りある」は、他者の悲しみや辛さに寄り添う場面で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
ここまで頑張ってきたのに閉店するなんて、店主の気持ちは察するに余りある。
例文②
ご遺族の皆様のご胸中は察するに余りあります。
例文③
彼がこんなに仕事ができないなんて、直属の上司の心労は察するに余りある。
例文④
頑張って準備してきたイベントが、前日に中止となった。スタッフたちの心中は察するに余りある。
例文⑤
毎日遅くまで残って仕事をしていたチームのコンペ優勝が決まった。彼らの喜びは察するに余りある。
【察するに余りあるを使う時の注意点】
「察するに余りある」は、他者の悲しみや辛さに寄り添う言い回しですが、嬉しさや喜びなどポジティブな状況に対しても使うことができます。
「察するに余りある」の類義語・言い換え2選
『察するに余りある』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 共感する
- 痛いほどわかる
類義語①共感するの意味
サ行変格活用の動詞「共感する」の終止形。
引用:Weblio辞書
このドラマの主人公には非常に共感する。
類義語②痛いほどわかるの意味
旦那に不倫されていたので、浮気された人の悲しみは痛いほどわかる。
「察するに余りある」は英語で『understand so much that it hurts』
察するに余りあるは英語の『understand so much that it hurts』に言い換えることができます。
英語の『understand so much that it hurts』には
- 痛いほどわかる
という意味があります。
「察するに余りある」の対義語・反対語は『想像通り』
察するに余りあるの対義語は、『想像通り』になります。
想像通りには
- 実際には経験していない事柄について、考えていたとおりであること
などの意味があり、予想していた通りであることを表す際に用いられます。
想像通り、彼は卒業式では泣かなかった。
相手の境遇に同情したいが、心情の甚だしさがどれほどかを想像しきれないという意味の「察するに余りある」に対して、予想していた通りであることを意味する「想像通り」は、反対の意味の言葉として使うことができます。