「矜持」という言葉には、「自分の能力を優れたものとして誇る気持ち」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉なので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「矜持」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「矜持」の意味は『自分の能力を優れたものとして誇る気持ち』
矜持の読み方は「きょうじ」です。
明確な語源や由来はありませんが、「矜」と「持」のそれぞれの意味は、
- 「矜」は、自負すること
- 「持」は、もちつづけること
この2つが合わさってできた言葉です。
『矜持』には
- 自分の能力を優れたものとして誇る気持ち
- 自負
- プライド
などの意味があります。
「矜持」の正しい使い方を例文で紹介!
「矜持」は、自分の能力を優れたものとして誇る気持ちを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
私の矜持にかけて、嘘はつかない。
例文②
やるときめたことは最後までやり抜く。これが僕の矜持です。
例文③
本作品では、主人公の矜持をかけた戦いが描かれています。
例文④
息子には矜持をもって人生を歩んでほしい。
例文⑤
新商品からは、A社の矜持を感じる。
【矜持を使う時の注意点】
「矜持」は、硬い表現のため一般的には書き言葉として使われます。
また、自己中心的であることやプライドが高すぎるなど、ネガティブな意味として使われることもありますので、文脈に沿って理解するようにしましょう。
「矜持」の類義語・言い換え5選
『矜持』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 自信
- 自尊
- 自負
- 自慢
- 誇り
類義語①自信の意味
自分で自分の能力や価値などを信じること。自分の考え方や行動が正しいと信じて疑わないこと。
引用:goo辞書
今回のテストには自信があります。
類義語②自尊の意味
自分で自分をすぐれたものと思いこむこと。うぬぼれること。
引用:goo辞書
自尊心をもつことは大切です。
類義語③自負の意味
自分の才能・知識・業績などに自信と誇りを持つこと。
引用:goo辞書
100メートル走なら誰にも負けないという自負があります。
類義語④自慢の意味
自分で、自分に関係の深い物事を褒めて、他人に誇ること。
引用:goo辞書
こちらは、味も見た目も自慢の一品です。
類義語⑤誇りの意味
誇ること。名誉に感じること。また、その心。
引用:goo辞書
僕は日本人としての誇りをもっています。
「矜持」と「プライド」の違いは?
「矜持」と「プライド」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「矜持」には自分の能力を優れたものとして誇る気持ちという意味がありますが、
それに対し「プライド」には、誇りや自尊心を表します。
「矜持」は自慢気であることや見栄っぱりという意味を含んでいますが、「プライド」は主に自尊心や個人のアイデンティティを表します。
また、「矜持」は文語的に使われますが、「プライド」は文語・口語どちらでも馴染みやすい言葉です。
どちらも自尊心や誇りを表す言葉ですが、ニュアンスが若干異なりますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「矜持」は英語で『pride』
矜持は英語の『pride』に言い換えることができます。
英語の『pride』には
- 自慢
- 自尊心
などという意味があります。
「矜持」の対義語・反対語は『忸怩』
矜持の対義語は、『忸怩』になります。
忸怩には
- 深く恥じ入ること
などの意味があり、深く恥じ入ることを表す際に用いられます。
このチームを優勝に導くことができず、忸怩たる思いです。
自分の能力を優れたものとして誇る気持ちという意味の「矜持」に対して、深く恥じ入ることという意味の「忸怩」は、反対の意味の言葉として使うことができます。