「おもねる(阿る)」という言葉には、「人の気に入るように振る舞う」という意味があります。
人に媚びたりする場面でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「おもねる(阿る)」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
おもねる(阿る)の意味は『人の気に入るように振る舞う』
おもねるの漢字表記は「阿る」です。
語源は、漢字の「阿」の寄り掛かる・自分の意志を曲げて人に従うという意味を含む漢字からきており、
『おもねる(阿る)』には
- 人の気に入るように振る舞う
などの意味があります。
「おもねる(阿る)」の正しい使い方を例文で紹介!
「おもねる(阿る)」は、相手に気に入られたいがために機嫌をとったりよく思われようと行動したりすることを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
私の上司は、権力におもねる(阿る)ことを、みっともないと思っているようです。
例文②
彼はどんなときでも権力におもねる(阿る)ことで生き延びてきました。
例文③
自分の意思を強くもっていなければ、時流におもねる(阿る)ことになるだろう。
例文④
金づるになるとでも思ったのか、彼はわたしにおもねる(阿る)ようになりました。
例文⑤
社長におもねる(阿る)人は出世しがちです。
【おもねる(阿る)を使う時の注意点】
「おもねる(阿る)」は人の気に入るように振る舞うことを意味し、相手に気に入られたいがために機嫌をとったりよく思われようと行動したりすることを表すときに使われます。
気に入られようとする行動を非難する意味も含まれるため、否定的なニュアンスで使われることが多いです。
また、例文①~③のように気に入られようとする対象は人以外にもあります。
「おもねる(阿る)」の類義語・言い換え4選
『おもねる(阿る)』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- へつらう(諂う)
- 迎合
- 媚びる
- 取り入る
類義語①へつらう(諂う)の意味
人の気に入るように振る舞う。また、お世辞を言う。おもねる。追従 (ついしょう) する。
引用:goo辞書
上司にへつらう(諂う)先輩を見て「こうはなりたくないな」と思いました。
類義語②迎合の意味
世論に迎合する政治家は多いと思います。
類義語③媚びるの意味
先生に媚びて単位をもらおうなんて甘すぎるし、ありえない。
類義語④取り入るの意味
相手の機嫌をとって、気に入られるように努める。
引用:goo辞書
彼氏の親にうまく取り入ることは結構得意な方です。
「おもねる(阿る)」と「へつらう(諂う)」の違いは?
「おもねる(阿る)」と「へつらう(諂う)」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「おもねる(阿る)」には人の気に入るように振る舞うという意味がありますが、
それに対し「へつらう(諂う)」にも、人の気に入るように振る舞う・お世辞を言うという意味があります。
どちらも人の気に入るように振る舞うことを指し同じ意味で使われますが、
「おもねる(阿る)」は人以外にも使用され、「へつらう(諂う)」は「人」に対してのみ使用されます。
「おもねる(阿る)」は英語で『flatter』
おもねる(阿る)は英語の『flatter』に言い換えることができます。
flatterの意味
おべっかを使う、おもねる、お世辞を言う、(喜ばせるために)お世辞にほめる、おだててさせる、喜ばせる、うぬぼれる、得意になる、得意に思う、心ひそかに(…と)信ずる
英語の『flatter』には
- おべっかを使う・おもねる・お世辞を言う・(喜ばせるために)お世辞にほめる
- おだててさせる・喜ばせる・うぬぼれる・得意になる・得意に思う・心ひそかに(…と)信ずる
という意味があります。
「おもねる(阿る)」の対義語・反対語は『おもねらない(阿らない)』
おもねる(阿る)の対義語は、『おもねらない(阿らない)』になります。
おもねらない(阿らない)には
- 人に気に入られようとして媚びたりへつらったりしないこと
などの意味があり、人に気に入られようとして媚びたりへつらったりしないことを用いられます表すときに用いられます。
中立で何者にも阿らない人は信用できます。
「おもねる(阿る)」は人の気に入るように振る舞うという意味で、「おもねらない(阿らない)」は人に気に入られようとして媚びたりへつらったりしないことを意味します。
つまり、「おもねらない(阿らない)」は「おもねる(阿る)」を否定した表現で反対の意味になります。