「付け焼き刃」という言葉には「その場しのぎの知識や技術」という意味があります。
間に合わせの知識や、技術は役に立たないことを批判するときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「付け焼き刃」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
付け焼き刃の意味は『その場しのぎの知識や技術』
【付け焼き刃の意味】
- 切れない刀にはがねの焼き刃をつけ足したもの。見た目は切れそうに見えるが、実際はもろくて切れない。
- その場をしのぐために、知識や技術などを一時の間に合わせに習い覚えること。にわかじこみ。
引用:goo辞書
付け焼き刃の読み方は「つけやきば」です。
語源は日本刀に由来する用語です。
元々の「切れない刀にはがねの焼き刃をつけ足したもの」が、間に合わせで用意したものが結局は役に立たないものであることから転じて、その場しのぎのために知識や技術を間に合わせで覚えることという意味で使われるようになりました。
『付け焼き刃』には
- 切れない刀にはがねの焼き刃をつけ足したもの
- その場をしのぐために、知識や技術などを一時の間に合わせに習い覚えること
- にわかじこみ
などの意味があります。
「付け焼き刃」の正しい使い方を例文で紹介!
「付け焼き刃」は、間に合わせの知識や技術は役に立たないことを批判するときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
付け焼き刃のビジネスマナーでは、想定外の場面に対応できません。
例文②
プレゼン前日に調べた付け焼き刃の知識しかなかったので、顧客からの質問にうまく答えられなかった。
例文③
付け焼き刃の対策を続けた結果、自分たちでは手に負えない事態になってしまった。
例文④
取材のために専門用語を付け焼き刃で覚えたが、理解できない単語もあって苦労した。
例文⑤
我が社は付け焼き刃の対応をとるばかりで、抜本的な改革をしてくれない。
【付け焼き刃を使う時の注意点】
基本的には批判的な意味を含む言葉のため、使う場面や文脈に注意しましょう。
「付け焼き刃」の類義語・言い換え2選
『付け焼き刃』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- その場しのぎ
- にわか仕込み
類義語①その場しのぎの意味
あとのことは考えずに、その場だけをとりつくろうこと。また、そうした態度・口実。一時しのぎ。そのばのがれ。
引用:goo辞書
その場しのぎの嘘は、自分の立場を悪くするだけだ。
類義語②にわか仕込みの意味
- 商品を必要になってから急いで仕込むこと。また、その商品。
- 間に合わせるために大急ぎで覚えること。また、そのもの。
引用:goo辞書
留学生と交流するイベントに参加したが、にわか仕込みの英会話ではコミュニケーションに苦労した。
「付け焼き刃」と「一夜漬け」の違いは?
「付け焼き刃」と「一夜漬け」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「付け焼き刃」にはその場しのぎの知識や技術という意味がありますが、
それに対し「一夜漬け」には、間に合わせに一晩で急いで準備した仕事や勉強という意味があります。
どちらも、その場をしのぐために間に合わせで行うものですが、「一夜漬け」は一晩で準備するという意味が強く表れる言葉となっています。
「付け焼き刃」は英語で『temporary measure』
付け焼き刃は英語の『temporary measure』に言い換えることができます。
英語の『temporary measure』には
- 暫定対処
という意味があります。
「付け焼き刃」の対義語・反対語は『用意周到』
付け焼き刃の対義語は、『用意周到』になります。
用意周到には
- 用意が行き届いて、手ぬかりがないこと
などの意味があり、しっかりと用意ができていて準備が整っていることを表すときに用いられます。
どんな試験でも万全に臨めるように、用意周到に準備している。
「付け焼き刃」はその場しのぎの知識や技術を意味しますが、「用意周到」はしっかりと用意が整っていることを意味します。