「斜に構える」という言葉には、「物事に正対せず、皮肉やからかいなどの態度で臨むこと」という意味があります。
態度や性格を表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「斜に構える」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
斜に構えるの意味は『物事に正対せず、皮肉やからかいなどの態度で臨むこと』
斜に構えるの読み方は「しゃにかまえる」です。
語源は、剣道の基本姿勢で竹刀を「斜め」に構えるをことから来ており、
『斜に構える』には
- 剣道で、刀を斜めに構える
- 身構える・改まった態度をする
- 物事に正対しないで、皮肉やからかいなどの態度で臨む
などの意味があります。
「斜に構える」の正しい使い方を例文で紹介!
「斜に構える」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①物事に正対せず、皮肉やからかいなどの態度で臨む意味で使う時
物事に正対しないで、皮肉やからかいなどの態度で臨むこと・様子を表す時に使われます。
【例文①】
そんな斜に構えた態度はみんなを困らせるだけだから、やめた方がいいよ。
【例文②】
後輩が「君は斜に構えた態度だな」と部長に注意されていたので、なだめた。
例文②身構える・改まった態度の意味で使う時
しっかりと身構えるという意味で使う時に使われます。
【例文①】
面談と言っても内定はしているのだから、そんなに斜に構える必要はありませんよ。
【例文②】
娘は選考会で、斜に構えた態度だねと褒められました。
【斜に構えるを使う時の注意点】
「斜に構える」はもともと剣道の基本姿勢である「斜め」の構えから、「しっかりと身構える」という意味につながった言葉です。
しかし、普通とは違った見方・ひねくれた考え方をする様子を意味する「斜めに見る」という言葉の表現が、「斜に構える」と誤用され皮肉やからかいなどの態度で臨むことの意味が定着しています。
「斜に構える」は真逆の意味を持つ言葉ですが、ほとんどが例文①のようにネガティブな意味で使用されているということを覚えておきましょう。
「斜に構える」の類義語・言い換え5選
『斜に構える』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 偏屈
- ひねくれる
- 冷笑的
- あざける
- シニカル
類義語①偏屈の意味
引っ越してきたお隣さんは、見た目からして偏屈な人だとばかり思っていましたが、まったく逆で人当たりのいい人でした。
類義語②ひねくれるの意味
- ねじれまがる。形状がゆがむ。
- 性質・考え方などがねじけて素直でなくなる。
引用:goo辞書
君のそのひねくれた性格は、改めたほうがいいですよ。
類義語③冷笑的の意味
アウェー戦では、相手サポーターからの冷笑的な扱いにとても苛立っていました。
類義語④あざけるの意味
人の失敗をあざけるなんて、やっぱり仲間にはなれません。
類義語⑤シニカルの意味
皮肉な態度をとるさま。冷笑的。嘲笑ちょうしょう的。シニック。
引用:コトバンク
いつも彼のシニカルな発言には、不快感を抱いています。
「斜に構える」は英語で『cynical』
斜に構えるは英語の『cynical』に言い換えることができます。
英語の『cynical』には
- 皮肉な・冷笑的な
- 世をすねた・冷笑的で
という意味があります。
「斜に構える」の対義語・反対語は『素直』
斜に構えるの対義語は、『素直』になります。
素直には
- ありのままで、飾り気のないさま
- 性質・態度などが、穏やかでひねくれていないさま
などの意味があり、ありのままで飾り気がなく性質・態度が穏やかでひねくれていないさまを表すときに用いられます。
娘にはこのまま素直なまま育ってほしいです。
「斜に構える」は物事に正対せず、皮肉やからかいなどの態度で臨むことを意味し、「素直」はありのままで飾り気がなく性質・態度が穏やかでひねくれていない様子を意味しています。