「空前絶後」という言葉には、「非常に珍しいこと、まれなこと」という意味があります。
日常生活でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「空前絶後」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「空前絶後」の意味は『非常に珍しいこと、まれなこと』
空前絶後の読み方は「くうぜんぜつご」です。
語源は、中国の「宣和画譜」という故事だと言われています。
唐時代の画家・呉道子について「空前の画家である顧愷之と、絶後の画家である張僧繇、この二人の才能を兼ね備えている偉大な画家だ」と、北宋の皇帝が褒め称えたことが由来となっています。
- 「空前」は、これまでに一度もなかったこと
- 「絶後」は、これからも起こることがないこと
を意味しており、この2つの言葉を組み合わせて「空前絶後」という言葉が成り立ちました。
『空前絶後』には
- 非常に珍しいこと、まれなこと
などの意味があります。
「空前絶後」の正しい使い方を例文で紹介!
「空前絶後」は、非常に珍しいこと、まれなことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
少し前まで、空前絶後のゆるキャラブームでした。
例文②
この商品は、空前絶後の大ヒットとなりました。
例文③
オリンピックで日本が勝利した時、空前絶後の大盛り上がりを見せました。
例文④
今日の夜、空前絶後の大勝負にでます。
例文⑤
今日のランチタイムは、空前絶後の忙しさでした。
【空前絶後を使う時の注意点】
「空前絶後」は、これまでに起こったことがなく、これから先にも起こることがないだろうと思うほど珍しいことを意味する言葉です。
どちらかといえば、ポジティブな事柄を表す際に使われます。
よくあることや、今後も起こりそうなことについては使うことができませんので気をつけましょう。
「空前絶後」の類義語・言い換え3選
『空前絶後』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 前代未聞
- 未曾有
- 冠前絶後
類義語①前代未聞の意味
これまでに聞いたこともないような珍しく変わったこと。また、たいへんな出来事。
引用:goo辞書
入社初日に遅刻するなんて、前代未聞だ。
類義語②未曾有の意味
今までに一度もなかったこと。また、非常に珍しいこと。希有 (けう) 。みぞうう。
引用:goo辞書
未曾有の大災害について学んだ。
類義語③冠前絶後の意味
ずばぬけてすぐれている形容。また、非常に珍しいことの形容。今までで最高であって、これからもないであろうという意から。
引用:goo辞書
今年の梅酒は、冠前絶後の出来でした。
「空前絶後」と「前代未聞」の違いは?
「空前絶後」と「前代未聞」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「空前絶後」には非常に珍しいこと、まれなことという意味がありますが、
それに対し「前代未聞」には、これまでに聞いたこともないような珍しく変わったことという意味があります。
どちらも珍しいことを意味する言葉ですが、一般的にポジティブなニュアンスで使われる「空前絶後」に対して、「前代未聞」は呆れた出来事などのマイナスな出来事について使われることが多いです。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「空前絶後」は英語で『like no one before or since』
空前絶後は英語の『like no one before or since』に言い換えることができます。
like no one before or sinceの意味
それ以前またはそれ以降の誰とも似ていない(方法を使って)、空前絶後の(やり方で)◆ユニークなこと・革新的なことをした人物について。
引用:英辞郎
英語の『like no one before or since』には
- それ以前またはそれ以降の誰とも似ていない(方法を使って)
- 空前絶後の(やり方で)
- ユニークなこと・革新的なことをした人物について
という意味があります。
「空前絶後」の対義語・反対語はありません
空前絶後の対義語は、ありません。