「獅子身中の虫」という言葉には、「組織などの内部にいながら害をなす者や、恩をあだで返す者」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「獅子身中の虫」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「獅子身中の虫」の意味は『組織などの内部にいながら害をなす者や、恩をあだで返す者』
獅子身中の虫の読み方は「しししんちゅうのむし」です。
語源は、仏教の経典である『梵網経』にある「師子身中の虫の自ら師子を食らうがごとし」という一説です。
「師子」は「獅子」のことで、一般的にライオンのことを表しており、「ライオンは自分の中に入り込んだ害虫に食われて死んでしまう」という意味です。
『獅子身中の虫』には
- 仏徒でありながら、仏法に害をなす者
- 組織などの内部にいながら害をなす者や、恩をあだで返す者
などの意味があります。
「獅子身中の虫」の正しい使い方を例文で紹介!
「獅子身中の虫」は、組織などの内部にいながら害をなす者や、恩をあだで返す者を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
この事件は内部告発で明るみになったらしい。まさに、獅子身中の虫だ。
例文②
新商品の情報がリークされた。獅子身中の虫だ。
例文③
あんなによくしてあげたのに、こんな仕打ちを受けるなんて獅子身中の虫だな。
例文④
獅子身中の虫というように、裏切り者は近くにいるものだ。
例文⑤
獅子身中の虫と言われても、このことは隠蔽しておけない。
【獅子身中の虫を使う時の注意点】
「獅子身中の虫」は「獅子心中の虫」と間違えやすいため、正しく覚えましょう。
「獅子身中の虫」の類義語・言い換え2選
『獅子身中の虫』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 裏切り者
- 恩を仇で返す
類義語①裏切り者の意味
味方を欺いて不利な状況に陥らせる者、敵に加担する者などを意味する表現。
引用:Weblio辞書
情報を相手に売るなんて!この裏切り者め。
類義語②恩を仇で返すの意味
恩返しをしないで、かえって恩人に害を与える。恩を仇で報ずる。
引用:goo辞書
お世話になった人に対して、恩を仇で返すようなことはしてはいけないよ。
「獅子身中の虫」は英語で『snake in one's bosom』
獅子身中の虫は英語の『snake in one's bosom』に言い換えることができます。
英語の『snake in one's bosom』には
- 獅子身中の虫
という意味があります。
「獅子身中の虫」の対義語・反対語は『縁の下の力持ち』
獅子身中の虫の対義語は、『縁の下の力持ち』になります。
縁の下の力持ちには
- 他人のために陰で苦労、努力をすること
などの意味があり、他人のために陰で苦労、努力をすることを表す際に用いられます。
君は本当に縁の下の力持ちだね!
組織などの内部にいながら害をなす者や、恩をあだで返す者を意味する「獅子身中の虫」に対して、他人のために陰で苦労、努力をすることを意味する「縁の下の力持ち」は、反対の意味の言葉として使うことができます。