「香具師」という言葉には、「露店を出して商売したり、見世物などの興行をしたりする人」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「香具師」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「香具師」の意味は『露店を出して商売したり、見世物などの興行をしたりする人』
香具師の読み方は「やし」「こうぐし」です。
語源は諸説ありますが、一説によると江戸時代頃に薬を売り歩いていた人の名前が「弥四郎」といい、それが省略されて「弥四」となり、さらに変化して「香具師」となったと言われています。
『香具師』には
- 盛り場・縁日・祭礼などに露店を出して商売したり、見世物などの興行をしたりする人
- 露天商の場所割りをし、世話をする人
- 的屋 (てきや)
などの意味があります。
「香具師」の正しい使い方を例文で紹介!
「香具師」は、露店を出して商売したり、見世物などの興行をしたりする人を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
父は香具師として働いていました。
例文②
香具師の方は、お祭りのない日は何しているんだろう。
例文③
兄は香具師の友達に誘われて出店で焼きそばを焼いています。
例文④
香具師として働くなら、わたあめ屋がいいなぁ。
例文⑤
香具師だけで食べていけるくらいになりたい。
【香具師を使う時の注意点】
「香具師」は縁日などの露店で働いている人を指す言葉ですが、インターネット上で使われているネットスラングでは、「〇〇な奴」と表す際に「〇〇な香具師」と書かれることがあります。
これはカタカナで「ヤツ」と「ヤシ」が似ていることから、「ヤツ=ヤシ」となり、「ヤシ」を漢字変換して「やつ=香具師」となったと言われています。
「香具師」の類義語・言い換え2選
『香具師』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 的屋
- 三寸
類義語①的屋の意味
盛り場・縁日など人出の多い所に店を出し、いかがわしい品物などを売る商人。香具師 (やし) 。
引用:goo辞書
兄は夏になると的屋でバイトをしている。
類義語②三寸の意味
香具師 (やし) の一種。祭日や縁日に、品物を台にのせ、口上を述べて売る大道商人。
引用:goo辞書
祖父は昔、三寸として働いていました。
「香具師」と「テキ屋」の違いは?
「香具師」と「テキ屋」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「香具師」には露店を出して商売したり、見世物などの興行をしたりする人という意味がありますが、
それに対し「テキ屋」には、盛り場・縁日など人出の多い所に店を出し、いかがわしい品物などを売る商人という意味があります。
どちらも露店で物を販売する人を表す言葉ですが、「テキ屋」よりも「香具師」の方が古くから使われている表現です。
また、「テキ屋」は、うさんくさいものやいかがわしい物を売るというマイナスな意味合いで使われますが、「香具師」はしっかりとした物を売るというプラスの意味合いで使われます。
「香具師」は英語で『mountebank』
香具師は英語の『mountebank』に言い換えることができます。
英語の『mountebank』には
- いかさま師
- 偽医者
- 香具師(やし)
という意味があります。
「香具師」の対義語・反対語はありません
香具師の対義語は、ありません。