「貴殿」という言葉には、「男性が目上または同等の男性に対して用いる二人称の人代名詞」という意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「貴殿」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「貴殿」の意味は『男性が目上または同等の男性に対して用いる二人称の人代名詞』

貴殿の読み方は「きでん」です。
明確な語源や由来はありませんが、「貴」と「殿」のそれぞれの意味は、
- 「貴」は、高貴であること
- 「殿」は、主君や高貴な人を指す言葉
この2つが合わさってできた言葉です。
『貴殿』には
- 二人称の人代名詞
- 男性が目上または同等の男性に対して用いる
- あなた
などの意味があります。
「貴殿」の正しい使い方を例文で紹介!

「貴殿」は、男性が目上または同等の男性に対して用いる二人称の人代名詞として使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

貴殿のご協力に、感謝申し上げます。
例文②

貴殿の貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
例文③

貴殿のご意見をお聞かせいただけますか?
例文④

貴殿の誠実なご対応に感謝申し上げます。
例文⑤

貴殿のご意向に、最大限沿いたいと思っております。
【貴殿を使う時の注意点】
「貴殿」は、文章やメールなどの書き言葉で使用される言葉ですので、口語としてはあまり使われません。
また、堅い印象のある敬語表現のため、多用するとかえって不自然となりますので、気をつけましょう。
「貴殿」の類義語・言い換え2選

『貴殿』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 貴方
- 貴台
類義語①貴方の意味
二人称の人代名詞。男性が同等の相手を敬っていう語。現在では、多く文書などで用いられる。貴君。
引用:goo辞書

貴方のおかげで、今回の案件を取ることができました。
類義語②貴台の意味
二人称の人代名詞。相手を敬っていう語。多く手紙文で用いる。貴下。高台。尊台
引用:goo辞書

貴台より貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。

「貴殿」と「貴方」の違いは?

「貴殿」と「貴方」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「貴殿」には男性が目上または同等の男性に対して用いる二人称の人代名詞という意味がありますが、
それに対し「貴方」には、男性が同等の相手を敬っていう二人称の人代名詞という意味があります。
「貴殿」は書き言葉としてビジネスシーンやフォーマルな場面で使われ、やや古風な印象のある表現ですが、「貴方」はビジネスシーンでも日常会話でも使われる表現です。
似ている言葉ですが、ニュアンスが若干異なりますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「貴殿」は英語で『you』

貴殿は英語の『you』に言い換えることができます。
英語の『you』には
- あなた(たち)は
- 君(たち)は
- お前(たち)は
- 人は(だれでも)
という意味があります。
「貴殿」の対義語・反対語は『拙者』

貴殿の対義語は、『拙者』になります。
拙者には
- 一人称の人代名詞
- 武士が多く用い、本来は自分をへりくだっていう語であるが、尊大な態度で用いることもある
などの意味があり、一人称の人代名詞として用いられます。

拙者の腕前、試してみるか…?
男性が目上または同等の男性に対して用いる二人称の人代名詞の「貴殿」に対して、主に自分を謙っていう時の一人称の人代名詞である「拙者」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
