「慣例」という言葉には、「繰り返し行われて習慣のようになった事柄」という意味があります。
ビジネスシーンや日常会話でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「慣例」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「慣例」の意味は『繰り返し行われて習慣のようになった事柄』

慣例の読み方は「かんれい」です。
語源は漢字の「慣」と「例」から成り立っており、
- 「慣」はならわし、しきたり
- 「例」はためし、ならわし、しきたり、いつもどおりの
の2つが合わさってできた言葉です。
『慣例』には
- 繰り返し行われて習慣のようになった事柄
- しきたり
- ならわし
などの意味があります。
「慣例」の正しい使い方を例文で紹介!

「慣例」は、ビジネスシーンや日常会話で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

この会社では、新入社員が朝の清掃を担当することが慣例となっている。
例文②

子ども会の夏の行事は、慣例に倣って日帰りキャンプを行います。
例文③

慣例に従い、取引先への挨拶品は社名入りのタオルを用意した。
例文④

毎年、お正月には親族で初もうでに行くことが慣例となっています。
例文⑤

慣例に従ってばかりでは、企業の成長は見込めない。
【慣例を使う時の注意点】
「慣例」という言葉は「慣例に倣う(ならう)」「慣例に従う」「慣例に則り(のっとり)」などの使い方をすることが多いです。
「慣例」の類義語・言い換え5選

『慣例』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 習慣
- 慣行
- 風習
- 通例
- 恒例
類義語①習慣の意味
- 長い間繰り返し行ううちに、そうするのがきまりのようになったこと。
- その国やその地方の人々のあいだで、普通に行われる物事のやり方。社会的なしきたり。ならわし。慣習。
- 心理学で、学習によって後天的に獲得され、反復によって固定化された個人の行動様式。
引用:goo辞書

毎朝のストレッチが習慣になっている。
類義語②慣行の意味
- 古くからの習わしとして行われていること。
- ふだん、習慣として行うこと。
引用:goo辞書

迷ったときには、慣行に従って行動すれば間違いはない。
類義語③風習の意味
その土地や国に伝わる生活や行事などの習わし。風俗習慣。しきたり。
引用:goo辞書

結婚式の引き出物は、出身地によって異なる風習があります。
類義語④通例の意味
- その社会での一般のならわし。通常のやり方。
- (副詞的に用いて)一般に。通常。
引用:goo辞書

月曜日の定例会には、全員参加が通例となっています。
類義語⑤恒例の意味
いつもきまって行われること。多く、儀式や行事にいう。また、その儀式や行事。
引用:goo辞書

忘年会では、ビンゴ大会が恒例となっています。

「慣例」と「慣習」の違いは?

「慣例」と「慣習」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「慣例」には繰り返し行われて習慣のようになった事柄という意味がありますが、
それに対し「慣習」には、ある社会で古くから受け継がれてきている生活上のならわしという意味があります。
どちらの言葉も、ならわし・しきたりといった意味合いを含みますが、「慣習」は古くから伝わる歴史的なならわしであり、適応される社会に属している人に対して、ある程度の強制力をもつものを意味します。
対して「慣例」は、歴史の古さに関わらず、繰り返し行われていた事柄全般を指し、会社や個人などにも使われ、行われている範囲を限定するものではありません。
「慣例」は英語で『practice』

慣例は英語の『practice』に言い換えることができます。
practiceの意味
(理論・思想に対して)実行、実践、実地、実際、(実地で得た)経験、(反復して行なう)練習、けいこ、(練習で得た)熟練、手腕、(個人の)習慣
英語の『practice』には
- (個人の)習慣
- (理論・思想に対して)実行
という意味があります。
「慣例」の対義語・反対語は『異例』

慣例の対義語は、『異例』になります。
異例には
- 普通と異なる例
- 今までに例がないこと
などの意味があり、普通とは異なることが起きたときに用いられます。

彼女は異例なスピードで管理職に抜擢された。
「慣例」は繰り返し行われて習慣のようになった事柄という意味で使われ、「異例は」普通と異なる例という意味で使われます。
