「不束者(ふつつかもの)」という言葉には、「気のきかない人」という意味があります。
ビジネスシーンや結婚式などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「不束者(ふつつかもの)」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
不束者(ふつつかもの)の意味は『気のきかない人』
不束者の読み方は「ふつつかもの」です。
語源は、平安時代初期に使われていた「太束(ふとつか)」という言葉です。
元々は「短くて太い柱」を意味する言葉でしたが、転じて「太くて頑強なこと」という意味で使われるようになりました。
しかし、時代が進むにつれ、細くておしとやかな人が美しいとされるようになった結果、「太束(ふとつか)者」は野暮ったい人、つまらない人という意味に変わっていきました。
そして現代では、「太束(ふとつか)者」に「不足している」というニュアンスを含み、「不束者(ふつつかもの)」という言葉が使われるようになりました。
『不束者(ふつつかもの)』には
- 気のきかない人
- 行きとどかない者
などの意味があります。
「不束者(ふつつかもの)」の正しい使い方を例文で紹介!
「不束者(ふつつかもの)」は、ビジネスシーンや結婚式などで使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

不束者ではございますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
例文②

不束者の私に、何卒ご教授願えませんでしょうか。
例文③

不束者の娘ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
例文④

不束者ながら、皆様のご期待に沿えるよう精一杯努力してまいります。
例文⑤

不束者の息子ではありますが、これから幸せな家庭を築けるよう、皆様のお力添えを賜りたく、お願い申し上げます。
【不束者(ふつつかもの)を使う時の注意点】
「不束者(ふつつかもの)」は謙遜表現にあたり、多くは「ですが」なのどの逆説の接続詞とともに使われるので、「私は不束者(ふつつかもの)だ」といった表現はしないということに注意しましょう。
「不束者(ふつつかもの)」の類義語・言い換え2選
『不束者(ふつつかもの)』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 不調法者(ぶちょうほうもの)
- 若輩者(じゃくはいもの)
類義語①不調法者(ぶちょうほうもの)の意味
- 行き届かず、手際の悪いこと。また、そのさま。
- 過失。不始末。粗相。
- 酒や芸事のたしなみがないこと。また、そのさま。へりくだった気持ちを込めて用いる。
引用:goo辞書

不調法者ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
類義語②若輩者(じゃくはいもの)の意味
若輩の人。未熟者。
引用:goo辞書

まだまだ若輩者なので、一生懸命勉強させていただきます。

「不束者(ふつつかもの)」と「未熟者」の違いは?
「不束者(ふつつかもの)」と「未熟者」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「不束者(ふつつかもの)」には気のきかない人・行きとどかない者という意味がありますが、
それに対し「未熟者」には、学問や技術などの経験・修練がまだ十分でない人という意味があります。
「不束者(ふつつかもの)」は、その人物の元々の性格や変えられない気質のことを表すのに対し、「未熟者」は、今はまだ知識や経験が十分ではないが、今後発展する可能性があることを示すという違いがあります。
「不束者(ふつつかもの)」は英語で『inexperienced person』
不束者(ふつつかもの)は英語の『inexperienced person』に言い換えることができます。
英語の『inexperienced person』には
- 不束者
- 未経験者
という意味があります。
「不束者(ふつつかもの)」の対義語・反対語は『気が利く人』
不束者(ふつつかもの)の対義語は、『気が利く人』になります。
気が利くには
- 細かいところにまで注意が及ぶ
- しゃれている
- 粋である
などの意味があり、人柄や言動を表すときに用いられます。

彼女はとても気が利く人なので、チームに居てくれると助かる。
「不束者(ふつつかもの)」は気のきかない人・行きとどかない者という意味で使われ、「気が利く人」は細かいところにまで注意が及ぶ人という意味で使われます。
