「言外」という言葉には、「言葉に出さない部分」という意味があります。
日常会話でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「言外」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「言外」の意味は『言葉に出さない部分』
言外の読み方は「げんがい」です。
語源は漢字の「言」と「外」から成り立っており、
- 「言」はことば
- 「外」は一定の枠、意向などからはずれること
の2つが合わさってできた言葉です。
『言外』には
- 言葉に出さない部分
などの意味があります。
「言外」の正しい使い方を例文で紹介!
「言外」は、言葉に出さない部分を表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼は旅行の計画に乗り気でないことを言外ににおわせていました。
例文②

部下は飲み会が苦手なことを言外に滲ませていた。
例文③

取引先の言外から、契約の更新は難しいことを悟った。
例文④

コミュニケーション能力の高い人は、相手の言外から意図を読み取るのがうまい。
例文⑤

言外に滲ませるだけでは、相手に気持ちが正しく伝わらないことが多いです。
【言外を使う時の注意点】
「言外にほのめかす」、「言外に言う」などの表現は誤用なので注意が必要です。
「言外」の類義語・言い換え4選
『言外』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 示唆
- 暗示
- 含意
- ほのめかす
類義語①示唆の意味
それとなく知らせること。ほのめかすこと。
引用:goo辞書

この映画は未来への示唆が描かれている。
類義語②暗示の意味
- 物事を明確には示さず、手がかりを与えてそれとなく知らせること。また、そのような手がかり。サジェスチョン。
- 人の感情や考えが、言葉や絵などの間接的な手段によって無意識のうちに強制によらずにある方向に変化する現象。
引用:goo辞書

冒頭のシーンは結末を暗示する演出だった。
類義語③含意の意味
- 表面に現れない意味を含みもつこと。また、その意味。
- 論理学で、任意の命題p・qについて、pが真であれば常にqも真であるとき、pはqを含意するという。
引用:goo辞書

先輩の言葉には含意があるように思いました。
類義語④ほのめかすの意味
- それとなく言葉や態度に表して示す。におわせる。
- もてはやす。
引用:goo辞書

後輩と飲みに行ったら、結婚をほのめかしていた。

「言外」と「論外」の違いは?
「言外」と「論外」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「言外」には言葉に出さない部分という意味がありますが、
それに対し「論外」には、当面の議論に関係のないこと・論じる価値もないことという意味があります。
「言外」は言葉以外の表情や態度、口調といった部分を指し、「論外」は議論の範囲外という意味で使われます。
字面は似ていますが、それぞれ全く違った意味を持つ言葉なので、使う文脈によって使い分けが必要です。
「言外」は英語で『unexpressed』
言外は英語の『unexpressed』に言い換えることができます。
英語の『unexpressed』には
- 無発現の
という意味があります。
「言外」の対義語・反対語は『明言』
言外の対義語は、『明言』になります。
明言には
- はっきり言いきること
などの意味があり、曖昧な表現をせず、はっきり言葉にすることを表すときに用いられます。

今回の不祥事の責任は上層部にあると、社長が明言した。
「言外」は言葉に出さない部分という意味で使われ、「明言」ははっきり言いきることという意味で使われます。
