「茫洋」という言葉には、「広々として限りのない・広くて見当のつかない様子」という意味があります。
日常会話やビジネスメールなどでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「茫洋」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「茫洋」の意味は『広々として限りのない・広くて見当のつかない様子』

茫洋の読み方は「ぼうよう」です。
「茫」は漢字検定1級、「洋」は小学3年生で習う漢字で、
- 「茫」はひろびろしている・はてしない
- 「洋」はひろい・みちみちたさま
の2つが合わさってできた言葉です。
『茫洋』には
- 広々として限りのないさま
- 広くて見当のつかないさま
などの意味があります。
「茫洋」の正しい使い方を例文で紹介!

「茫洋」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①広々として限りのない様子を表す時
広々として限りのない様子を表現する時に使われます。
【例文①】

茫洋とした広い海を眺めることが好きです。
【例文②】

草原の丘から眺める景色は、茫洋としています。
例文②ぼんやりとしてはっきりしない・つかみどころのない様子を表す時
ぼんやりとしてはっきりしない・つかみどころのない様子を表現する時に使われます。
【例文①】

彼は理解しているのかいないのか、茫洋とした表情を浮かべています。
【例文②】

上司は、茫洋とした人なので部下達は気を付けています。
【茫洋を使う時の注意点】
「茫洋」は、広々として限りのない・広くて見当のつかないことを意味しています。
また、「見当のつかない程に広い」と言う意味が転じて「つかみどころのない」「ぼんやりとしている」という人の様子を表すときにも使われる言葉です。
「茫洋」は「心が広い」などのプラスイメージ・「ぼんやり・はっきりしない」などのマイナスイメージのどちらでも使われる言葉なので人に対して使う際は注意が必要です。
「茫洋」の類義語・言い換え5選

『茫洋』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 広大
- 茫々
- 茫漠
- 雄大
- 無限
類義語①広大の意味
広く大きいこと。また、そのさま。
引用:goo辞書

広大な土地を管理するのは大変だと思います。
類義語②茫々の意味

茫々たる大海原は、飲み込まれそうで少し怖くなりました。
類義語③茫漠の意味

茫漠とした砂漠に一人取り残された夢を見ました。
類義語④雄大の意味

ゴールデンウィークは旅行に行き、雄大な景色に癒されました。
類義語⑤無限の意味
数量や程度に限度がないこと。また、そのさま。インフィニティー。
引用:goo辞書

私たちが依存している資源は無限ではありません。

「茫洋」と「鷹揚」の違いは?

「茫洋」と「鷹揚」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「茫洋」には広々として限りのない・広くて見当のつかない様子という意味がありますが、
それに対し「鷹揚」には、小さなことにこだわらずゆったりとしていること・おっとりとして上品な様子という意味があります。
「茫洋」は、「広い」という意味からおおらかな性格を指し、つかみどころがない・ぼんやりとしているというマイナスなニュアンスを含みます。
一方で「鷹揚」は、ゆったりと振る舞うこと・余裕があって目先の小事にこだわらないことを指し、マイナスなニュアンスは含まれません。
「茫洋」は英語で『vast』

茫洋は英語の『vast』に言い換えることができます。
英語の『vast』には
- 広大な・広漠とした・莫大な
- 巨額の・非常な・多大の
という意味があります。
「茫洋」の対義語・反対語は『狭小』

茫洋の対義語は、『狭小』になります。
狭小には
- かぎりがあること
- 限度・限界があること
などの意味があり、狭くて小さいことを表すときに用いられます。

私は若い頃、古い狭小アパートに住んでいました。
「茫洋」は広々として限りのない・広くて見当のつかない様子を指し、「狭小」は狭くて小さいことを指しています。
