「正鵠を射る」という言葉には、「物事の急所を正確につく」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「正鵠を射る」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「正鵠を射る」の意味は『物事の急所を正確につく』
正鵠を射るの読み方は「せいこくをいる」です。
語源は物事の核心を意味する「正鵠」と、命中させることという意味の「射る」が組み合わされた言葉です。
「正鵠を射る」は、弓術で「的の中心に矢を命中させること」を意味する言葉でしたが、これが比喩的に発展し、「物事の急所を正確につく」という意味合いで使われるようになったと言われています。
『正鵠を射る』には
- 物事の急所を正確につく
- 正鵠を得る
などの意味があります。
「正鵠を射る」の正しい使い方を例文で紹介!
「正鵠を射る」は、物事の急所を正確につくことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼の指摘は、正鵠を射ている。
例文②

この論文は、現代社会の問題について正鵠を射ている。
例文③

非常に正鵠を射たコメントをありがとうございました。
例文④

この研究結果は、まさに問題の正鵠を射ている。
例文⑤

いつも正鵠を射る発言をする部長のことを、僕は尊敬しています。
【正鵠を射るを使う時の注意点】
「正鵠を射る」は、物事の本質や核心をついていることを表す慣用句ですが、日常的に使われることは少なく、馴染みがないために、意味が伝わりにくいことがあります。
日常会話よりはビジネス文書やフォーマルな場面などで使用するとよいでしょう。
また、「正鵠を得る」は間違いですので、正しく「正鵠を射る」と覚えましょう。
「正鵠を射る」の類義語・言い換え3選
『正鵠を射る』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 核心を突く
- 的を射る
- 的確
類義語①核心を突くの意味
物事の最も重要な部分をピンポイントに攻めることを意味する語。
引用:Weblio辞書

彼女は時々、核心を突くような発言をする。
類義語②的を射るの意味
うまく目標に当てる。転じて、うまく要点をつかむ。
引用:Weblio辞書

あなたの提案は、的を射たもので、みんなが感心していました。
類義語③的確の意味
間違いの無いこと、明確であるさま、あるいは核心をついていることなどを意味する表現。
引用:Weblio辞書

課長の的確なアドバイスのおかげで、成功しました。

「正鵠を射る」と「的を射る」の違いは?
「正鵠を射る」と「的を射る」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「正鵠を射る」には物事の急所を正確につくことという意味がありますが、
それに対し「的を射る」には、うまく目標に当てることやうまく要点をつかむことという意味があります。
どちらも「本質・核心を突く」「的確である」という意味で使われる比喩表現ですが、「正鵠を射る」よりも「的を射る」のほうが日常会話でも広く使われる言葉です。
文脈に併せて使い分けましょう。
「正鵠を射る」は英語で『hit the mark』
正鵠を射るは英語の『hit the mark』に言い換えることができます。
英語の『hit the mark』には
- 的を当てる
- 要領を得る
- 正鵠を射る
- 急所を突く
などという意味があります。
「正鵠を射る」の対義語・反対語は『的外れ』
正鵠を射るの対義語は、『的外れ』になります。
的外れには
- 大事な点をはずしていること
- 見当違いなこと
などの意味があり、大事な点をはずしていることを表す際に用いられます。

物事の急所を正確につくことという意味の「正鵠を射る」に対して、大事な点をはずしていることという意味の「的外れ」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
