「舌足らず」という言葉には、「舌の動きが滑らかでなく物言いがはっきりしないことや、言葉数が足りず十分に言い尽くせていないこと」という意味があります。
日常生活でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「舌足らず」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「舌足らず」の意味は『舌の動きが滑らかでなく物言いがはっきりしないことや、言葉数が足りず十分に言い尽くせていないこと』

舌足らずの読み方は「したたらず」です。
語源は、言語能力や発音能力を意味する「舌」と、不十分であることを意味する「足らず」という言葉が組み合わされた言葉です。
『舌足らず』には
- 舌の動きが滑らかでなく、物言いがはっきりしないこと
- 言葉数が足りず、十分に言い尽くせていないこと
などの意味があります。
「舌足らず」の正しい使い方を例文で紹介!

「舌足らず」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①舌の動きが滑らかでなく、物言いがはっきりしないことを表す時
はっきりと発音されない様子を表す際に使われます。
【例文①】

娘の舌足らずな言い方が可愛い。
【例文②】

小さいころから舌足らずな話し方になってしまうのを治したい。
例文②言葉数が足りず、十分に言い尽くせていないことを表す時
あまり一般的には使われませんが、言葉足らずであることを表す時に使われます。
【例文①】

舌足らずで言いたいことを伝え切ることができなかった。
【例文②】

舌足らずな君の、気持ちは伝わっているよ。
【舌足らずを使う時の注意点】
「舌足らず」は言葉の説明が不十分だったり、発音がはっきりしない様子を指します。
表現の仕方によっては失礼になることもあるため、他者に対して使う際には気をつけましょう。
「舌足らず」の類義語・言い換え3選

『舌足らず』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- たどたどしい
- 口下手
- 訥弁
類義語①たどたどしいの意味
未熟であったり機能が十分でなかったりするため、物事を行うようすが危なっかしい。とどこおりなく行われず、おぼつかない。
引用:Weblio辞書

英語でのスピーチはたどたどしくなってしまう。
類義語②口下手の意味
話すことが不得意で、思うことをうまく人に言えないこと。また、そのさま。口不調法(くちぶちょうほう)。
引用:Weblio辞書

彼は口下手ですが、いい人です。
類義語③訥弁の意味
話し方がなめらかでないこと。また、そのさま。
引用:Weblio辞書

父は訥弁ながらも誠実な話ぶりだ。

「舌足らず」と「言葉足らず」の違いは?

「舌足らず」と「言葉足らず」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「舌足らず」には舌の動きが滑らかでなく、物言いがはっきりしないことや、言葉数が足りず十分に言い尽くせていないことという意味がありますが、
それに対し「言葉足らず」には、言葉が足りないことで、必要な情報や説明が十分に伝わっていない状態という意味があります。
「舌足らず」は「言葉足らず」と同じく、説明不足であることや表現が足りないことという意味を持っていますが、一般的には、発音が不明瞭であることや滑舌の悪さを意味することのほうが多いです。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「舌足らず」は英語で『unclear speech』

舌足らずは英語の『unclear speech』に言い換えることができます。
英語の『unclear speech』には
- 舌足らず
- 舌つき
という意味があります。
「舌足らず」の対義語・反対語は『饒舌』

舌足らずの対義語は、『饒舌』になります。
饒舌には
- やたらにしゃべること
- おしゃべり
- 多弁
などの意味があり、やたらにしゃべることを表す際に用いられます。

彼女は昔から饒舌で、ずっとしゃべっています。
舌の動きが滑らかでなく、物言いがはっきりしないことや、言葉数が足りず十分に言い尽くせていないことという意味の「舌足らず」に対して、やたらにしゃべることという意味の「饒舌」は、反対の意味の言葉として使うことができます。