「守株」という言葉には、「いたずらに古い習慣を守って、時に応じた物事の処理ができないこと」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「守株」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「守株」の意味は『いたずらに古い習慣を守って、時に応じた物事の処理ができないこと』
守株の読み方は「しゅしゅ」です。
語源は、古代中国の故事『韓非子』です。
偶然、切り株にうさぎがぶつかって死んだところを見た農民は、また同じように切り株を見ていれば何もしなくてもうさぎが手に入ると考え、耕作をやめて見張り続けました。
しかし、その後うさぎが現れることはなく、畑は荒れ果ててしまったという話です。
このことから、時代や状況の変化に対応せず、古い方法に固執する愚かさを表す言葉として使われるようになりました。
「守」と「株」のそれぞれの意味は、
- 「守」は見張ること
- 「株」は切り株
この2つが合わさってできた言葉です。
『守株』には
- いたずらに古い習慣を守って、時に応じた物事の処理ができないこと
などの意味があります。
「守株」の正しい使い方を例文で紹介!
「守株」は、いたずらに古い習慣を守って、時に応じた物事の処理ができないことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

守株の姿勢では、なにも新しいことは生まれない。
例文②

いつまでも守株してるようでは、時代に取り残されるよ。
例文③

過去のことばかりよく言う彼女は、まさに守株の人だ。
例文④

守株するのをやめて、新しいことに挑戦してみようよ。
例文⑤

父は守株な人で、頑なにスマホを持ちたがりません。
【守株を使う時の注意点】
「守株」は日常会話ではあまり馴染みのない故事成語のため、使う相手によっては意味が伝わらないことがあります。
ビジネス文書や論評・スピーチなど、やや堅めの文脈で用いるとよいでしょう。
「守株」の類義語・言い換え3選
『守株』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 旧套墨守
- 刻舟
- 剣を落として舟を刻む
類義語①旧套墨守の意味
古いしきたりや方法などを固く守ること。また、そのため融通の利かないこと。
引用:Weblio辞書

彼の経営方針は旧套墨守で、昔からずっと同じです。
類義語②刻舟の意味
時勢の移り変わりに気が付かないことのたとえ。
引用:Weblio辞書

上層部は現場を知らないため、まるで刻舟のようなマニュアルを出してくる。
類義語③剣を落として舟を刻むの意味
古い物事にこだわって、状況の変化に応じることができないことのたとえ。舟に刻みて剣を求む。
引用:Weblio辞書

このご時世でSNSを活用しないなんて、剣を落として舟を刻むだ。

「守株」は英語で『not making any progress』
守株は英語の『not making any progress』に言い換えることができます。
英語の『not making any progress』には
- 埒が明かない
- 進歩(の跡)がない
という意味があります。
「守株」の対義語・反対語は『革新』
守株の対義語は、『革新』になります。
革新には
- 新たな考え方や手法を導入し、既存の状況や制度を根本的に改善する行為
などの意味があり、新たな考え方や手法を導入し、既存の状況や制度を根本的に改善する行為を表す際に用いられます。

彼のアイディアはいつも革新的です。
いたずらに古い習慣を守って、時に応じた物事の処理ができないことを表す「守株」に対して、新たな考え方や手法を導入し、既存の状況や制度を根本的に改善する行為という意味の「革新」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
