「忽然」という言葉には、「物事の出現・消失が急なさま」という意味があります。
急になにかが消えた時などによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「忽然」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「忽然」の意味は『物事の出現・消失が急なさま』

忽然の読み方は「こつぜん」です。
明確な語源や由来はありませんが、「忽」と「然」のそれぞれの意味は、
- 「忽」は、たちまち、にわかに
- 「然」は、形容の語をつくる助字で状態を表す
この2つが合わさってできた言葉です。
『忽然』には
- 物事の出現・消失が急なさま
- 忽如
- こつねん
などの意味があります。
「忽然」の正しい使い方を例文で紹介!

「忽然」は、物事の出現・消失が急なさまを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼は人ごみの中で忽然と消えた。
例文②

店前に置いていた自転車が忽然と消えてなくなっていた。
例文③

その猫は、忽然と私たちの前に現れた。
例文④

さっきまで触っていたスマホが忽然と消えた。
例文⑤

山道で忽然と一軒家が現れた。
【忽然を使う時の注意点】
「忽然」は、予兆なく突然に現れたり消えたりする様子を表す、やや文語的・硬い表現です。
主に「忽然と姿を消す」「忽然と現れる」など、急で説明のつかない変化に対して使われます。
「忽然」の類義語・言い換え5選

『忽然』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 突如
- 急
- 不意に
- にわかに
- 突然
類義語①突如の意味
何の前触れもなく物事が起こるさま。だしぬけであるさま。突然。
引用:Weblio辞書

晴れていたのに、突如として雷が鳴りはじめた。
類義語②急の意味
物事が前触れなく突然に起こるさま。にわか。だしぬけ。
引用:Weblio辞書

急に予定が変わって、明日出張になった。
類義語③不意にの意味
急に、俄かに、突然、やにわに、といった意味の表現。
引用:Weblio辞書

不意に涙があふれてきた。
類義語④にわかにの意味
物事が急に変化・発生するさま。
引用:Weblio辞書

その話題が出たとたん、会場はにわかにざわめき始めた。
類義語⑤突然の意味
予期しないことが急に起こるさま。だしぬけであるさま。突如。
引用:Weblio辞書

突然呼び止められて驚いた。

「忽然」と「突然」の違いは?

「忽然」と「突然」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「忽然」には物事の出現・消失が急なさまという意味がありますが、
それに対し「突然」には、予期しないことが急に起こるさまという意味があります。
「忽然」は、急に現れる・消えるといった場面で使われる、やや硬い書き言葉ですが、「突然」は、もっと広い場面で使える一般的な語で、会話でも文章でも使えます。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「忽然」は英語で『suddenly』

忽然は英語の『suddenly』に言い換えることができます。
英語の『suddenly』には
- 突然に
- 不意に
という意味があります。
「忽然」の対義語・反対語は『徐々に』

忽然の対義語は、『徐々に』になります。
徐々にには
- 少しづつ
- 一歩一歩
- 次第に
などの意味があり、少しずつ変化することを表す際に用いられます。

気温が徐々に上がってきた。
物事の出現・消失が急なさまを表す「忽然」に対して、少しずつ、次第にという意味の「徐々に」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
