「拙著」という言葉には、「つたない著作」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「拙著」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「拙著」の意味は『つたない著作』

拙著の読み方は「せっちょ」です。
明確な語源や由来はありませんが、「拙」と「著」のそれぞれの意味は、
- 「拙」は、つたないこと、下手なこと
- 「著」は、あらわした書物
この2つが合わさってできた言葉です。
『拙著』には
- つたない著作
- 自分の著作をへりくだっていう語
などの意味があります。
「拙著」の正しい使い方を例文で紹介!

「拙著」は、自分の著作をへりくだっていう際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

これは私の拙著です。
例文②

こちらは最新の拙著で、初心者向けに書いてあります。
例文③

拙著は、皆様の役に立てばと思い書きました。
例文④

拙著では十分に説明できなかった点を、次回のセミナーで補足します。
例文⑤

拙著には私が20キロ痩せたコツが書いてあります。
【拙著を使う時の注意点】
「拙著」は、自分の書いた本や論文を謙遜して表す言葉です。
自慢の意味ではなく、へりくだった気持ちを込めて使います。
主にフォーマルな場や文章で使い、日常会話にはあまり適しません。
「拙著」の類義語・言い換え3選

『拙著』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 拙文
- 拙稿
- 拙作
類義語①拙文の意味
へたな文章。また、自分の書いた文章をへりくだっていう語。
引用:Weblio辞書

何卒、拙文をお許しください。
類義語②拙稿の意味
へたな原稿。また、自分の原稿をへりくだっていう語。
引用:Weblio辞書

拙稿に対するご意見をお待ちしております。
類義語③拙作の意味
自分の作品をへりくだっていう語。
引用:Weblio辞書

拙作を手に取ってくださり、ありがとうございます。

「拙著」と「著作」の違いは?

「拙著」と「著作」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「拙著」には自分の著作をへりくだっていう語という意味がありますが、
それに対し「著作」には、書かれた作品・著したものという意味があります。
「拙著」は自分の作品をへりくだって表現するときに使い、「著作」は作品一般を指す言葉として広く使います。
「拙著」は英語で『my book』

拙著は英語の『my book』に言い換えることができます。
英語の『my book』には
- 拙著
- 小著
- 拙書
という意味があります。
「拙著」の対義語・反対語は『名著』

拙著の対義語は、『名著』になります。
名著には
- すぐれた著作
- 有名な著書
などの意味があり、すぐれた著作や有名な著書を表す際に用いられます。

これは哲学の名著です。
自分の著作をへりくだっていう「拙著」に対して、すぐれた著作や有名な著書という意味の「名著」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
