「軒並み」という言葉には、「どこもかしこも・どれもこれも同じような状態」という意味があります。
新聞やニュース・ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでし
ょうか。
この記事では、「軒並み」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
軒並みの意味は『どこもかしこも・どれもこれも同じような状態』
軒並みの読み方は「のきなみ」です。
語源は、屋根や家、家々が並ぶ風景をイメージさせる「軒」と、物事が同じ状態であることを意味する「並み」が合わさってできた言葉です。
『軒並み』には
- どこもかしこも・どれもこれも同じような状態
- 家が軒を連ねて並び建っていること
- 並んでいる家の一軒一軒
などの意味があります。
「軒並み」の正しい使い方を例文で紹介!
「軒並み」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①どこもかしこも・どれもこれも同じような状態を表す時
どこもかしこも・どれもこれも同じような状態を表現する時に使われます。
【例文①】

今は不況で中小企業は軒並み経営不振で賃金は上がりません。
【例文②】

全国のスーパーで、米の値段が軒並み値上がりし備蓄米が話題になっています。
例文②家が軒を連ねて並んでいる様子を表す時
家が軒を連ねて並んでいる様子を表現する時に使われます。
【例文①】

昔住んでいた町の古い軒並みを見ると懐かしい気持ちになります。
【例文②】

今回の旅行では、城下町の古い軒並みを見学するツアーが組まれています。
例文③並んでいる家の一軒一軒を表す時
並んでいる家の一軒一軒を表現する時に使われます。
【例文①】

警察が公園周辺の家に軒並み聞いて回っているらしいです。
【例文②】

突然いなくなってしまった猫を探すため、軒並み聞いて回っています。
【軒並みを使う時の注意点】
「軒並み」には、「どこもかしこも・どれもこれも同じような状態」「家が軒を連ねて並んでいる様子」「並んでいる家の一軒一軒」の3つの意味があります。
主に「どこもかしこも・どれもこれも同じような状態」の意味で使われることが多く,広い範囲にわたって同時に起こる出来事を表現する時に使われます。
また、「どれもこれも」を指し「すべて」と同等の意味なのですが、全体の傾向がそうであれば使われる言葉なので注意が必要です。
「軒並み」の類義語・言い換え5選
『軒並み』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 街並み
- 家並み
- 一様に
- 総じて
- 全般
類義語①街並みの意味
- 町に家々が立ち並んでいるようす。
- 軒を並べている家々。町内の家ごと。
- 町筋と並行していること。
引用:weblio辞書

丘の上から見える街並みは美しいです。
類義語②家並みの意味
- 家が並んでいること。やなみ。
- 家ごと。軒並み。戸ごと。副詞的にも用いる。
引用:weblio辞書

去年、この一帯は家並み空き巣に入られたそうです。
類義語③一様にの意味
同じように、一律、といった意味の言い回し。
引用:weblio辞書

彼女たちは一様に同じものを頼んでいました。
類義語④総じての意味
全体的に、一般的に、という意味。
引用:weblio辞書

今期は総じて売り上げが上がりました。
類義語⑤全般の意味

我が家の家事全般は妻が担ってくれています。

「軒並み」と「街並み」の違いは?
「軒並み」と「街並み」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「軒並み」にはどれもこれも同じような状態・家が軒を連ねて並び建っていることという意味がありますが、
それに対し「街並み」には、町に家々が立ち並んでいる様子という意味があります。
「軒並み」には「軒をつらねて複数の家々が並んで建っている様子・一軒一軒の家」を指していますが、ある範囲の中にあるもののどれもこれもという意味で使われることが多い言葉です。
一方で「街並み」は一定以上の数の建物が建ち並んでいる都会的な景色・街全体の景色といったニュアンスで使われます。
また、都会的な景色には「街並み」は使われることが多く、「軒並み」は使われないので注意が必要です。
「軒並み」は英語で『row of houses』
軒並みは英語の『row of houses』に言い換えることができます。
英語の『row of houses』には
- 家並・家並み
という意味があります。
「軒並み」の対義語・反対語は『一部』
軒並みの対義語は、『一部』になります。
一部には
- 全体の中のある部分・一部分
などの意味があり、全体の中のある部分を表すときに用いられます。

私の会社は給料の一部を現物支給にしました。
「軒並み」はどこもかしこも・どれもこれも同じような状態を指しています。
一方で「一部」は、全体のうちの一部のみを指し全体を代表しない状態を表します。
