「言葉足らず」という言葉には、「十分に説明できていないこと」という意味があります。
ビジネスシーンや日常会話においてよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「言葉足らず」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
言葉足らずの意味は『十分に説明できていないこと』
言葉足らずの読み方は「ことばたらず」です。
語源は、人が声に出して言ったり文字に書いて表したりする、意味のある表現を指す「言葉」と、十分であるという意味の「足る」の未然形「足ら」に、打消しの助動詞「ぬ」の連用形が付いた「足らず」が組み合わさった言葉です。
言葉が十分である、という意味を打ち消しているので、「十分に説明できていないこと」という意味になります。
古くは歌人・紀貫之が著した『古今和歌集仮名序』にて、「詞(ことば)足らず」という表現が使われていました。
『言葉足らず』には
- 十分に説明できていないこと
などの意味があります。
「言葉足らず」の正しい使い方を例文で紹介!
「言葉足らず」は、説明不足で内容が正しく伝わっていないことを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

私の言葉足らずな説明で誤解を招いてしまい、大変申し訳ございませんでした。
例文②

君の話はいつも言葉足らずで、何度も確認をしないと正しい内容が伝わってこないよ。
例文③

打ち合わせではアフターサービスについて言葉足らずになってしまったので、詳しい資料を送付いたします。
例文④

彼氏は言葉足らずな人なので、それが原因でケンカになることが多いです。
例文⑤

言葉足らずな報告はトラブルを招くので、些細なことも記すように心がけています。
【言葉足らずを使う時の注意点】
「言葉足らず」は説明不足により誤解を与えたり、トラブルを招くといった文脈で使われるので、マイナスなイメージを持つ言葉です。
「言葉足らず」の類義語・言い換え4選
『言葉足らず』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 口下手
- 説明不足
- 訥弁(とつべん)
- 口不調法
類義語①口下手の意味
話すことが不得意で、思うことをうまく人に言えないこと。また、そのさま。口不調法(くちぶちょうほう)。
引用:Weblio辞書

彼女は口下手なので誤解されやすいですが、とても優しくて思いやりのある人です。
類義語②説明不足の意味
十分な説明がなされていないさま、説明が不足しているさま。
引用:Weblio辞書

この度は、コストに関して説明不足で申し訳ございませんでした。
類義語③訥弁(とつべん)の意味
話し方がなめらかでないこと。また、そのさま。
引用:Weblio辞書

彼のスピーチは訥弁ではあったが、熱意が伝わり人々の胸を打つものだった。
類義語④口不調法の意味
ものの言い方が下手なこと。また、その人。くちべた。訥弁(とつべん)。
引用:コトバンク

どうにも口不調法なもので、人前での挨拶は苦手です。

「言葉足らず」と「舌足らず」の違いは?
「言葉足らず」と「舌足らず」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「言葉足らず」には十分に説明できていないことという意味がありますが、
それに対し「舌足らず」には、言葉数が足りず、十分に言い尽くせていないことという意味があります。
どちらも同じような意味で使うことのできる言葉ですが、「舌足らず」には舌の動きが滑らかでなく、物言いがはっきりしないことという意味もあるのに対し、「言葉足らず」はその意味を持たないという違いがあります。
「言葉足らず」は英語で『person of few words』
言葉足らずは英語の『person of few words』に言い換えることができます。
英語の『person of few words』には
- 言葉足らず
という意味があります。
「言葉足らず」の対義語・反対語はありません
言葉足らずの対義語は、ありません。
