「朦朧」という言葉には、「ぼんやりとしてはっきりしない様子・意識が確かでない様子」という意味があります。
日常会話や文学・医療の現場などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「朦朧」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「朦朧」の意味は『ぼんやりとしてはっきりしない様子・意識が確かでない様子』
朦朧の読み方は「もうろう」です。
「朦」と「朧」はどちらも漢字検定1級レベルの漢字で、
- 「朦」はおぼろはっきりしないさま
- 「朧」はおぼろ・月の光がぼんやりとしているさま・はっきりしないさま
の2つが合わさってできた言葉です。
『朦朧』には
- ぼんやりとかすんで、はっきり見えない様子
- 物事の内容・意味などがはっきりしない様子
- 意識が確かでない様子
などの意味があります。
「朦朧」の正しい使い方を例文で紹介!
「朦朧」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①はっきりせずよく見えない・ぼんやりした状態で使う時
視覚的にはっきりせず、よく見えないこと・ぼんやりした状態を表す時に使われます。
【例文①】

その日は早朝から車で出かけましたが、霧が深く朦朧としていて、先が全く見えない状態でした。
【例文②】

山を散策していて黒っぽい何かが動いているなと思ったら、熊の姿が朦朧と現れました。
例文②内容や意味がはっきりしない様子で使う時
内容や意味がはっきりしない様子を表す時に使われます。
【例文①】

彼女の言っていることは朦朧としているのであまり信用できません。
【例文②】

彼の思想は朦朧としているからあまり気にしないほうがいい。
例文③意識がはっきりしない状態で使う時
医療や健康面などで、意識がはっきりしない、ぼうっとしている様子を表す時に使われます。
【例文①】

昨日の夜は高熱で、朦朧としていたので電話に気付きませんでした。
【例文②】

今日は頭が朦朧としていて、仕事が進まない状態です。
【朦朧を使う時の注意点】
「朦朧」は、はっきりせずよく見えない・ぼんやりした状態、内容や意味がはっきりしない様子、そして意識がはっきりしない様子に使われます。
「朦朧」は、視覚的・抽象的・精神状態まで、さまざまな「ぼんやり」した状態を表す言葉です。
「朦朧」の類義語・言い換え5選
『朦朧』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 茫々
- 曖昧
- 朧気
- 漠然
- 不明瞭
類義語①茫々の意味

茫々とした記憶の中で、あなたの面影だけが残っています。
類義語②曖昧の意味

そんな曖昧な言葉では誰も納得できないです。
類義語③朧気の意味

幼少期のことは、朧気な記憶であまり思い出すことはできません。
類義語④漠然の意味

私は将来に対して漠然とした不安を抱いています。
類義語⑤不明瞭の意味

彼の意見は内容が不明瞭で、何が言いたいのかよく分かりませんでした。

「朦朧」は英語で『hazy』
朦朧は英語の『hazy』に言い換えることができます。
英語の『hazy』には
- かすんだ・もやのかかった・はっきりしない
- 漠然とした・はっきりしなくて・よくわからなくて
という意味があります。
「朦朧」の対義語・反対語は『明白』
朦朧の対義語は、『明白』になります。
明白には
- あきらかで疑う余地のないこと
- はっきりとよくわかること
などの意味があり、あきらかで疑う余地のないことを表すときに用いられます。

彼女が犯人だということは明白な事実です。
「朦朧」はぼんやりとしてはっきりしない様子・意識が確かでない様子を意味し、「明白」はあきらかで疑う余地のないこと・はっきりとよくわかることを意味しています。
