「想起」という言葉には、「以前にあったことなどをおもいおこすこと」という意味があります。
何かを思い出すことを表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「想起」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「想起」の意味は『以前にあったことなどをおもいおこすこと』
想起の読み方は「そうき」です。
明確な語源や由来はありませんが、「想」と「起」のそれぞれの意味は、
- 「想」は、思う・考える
- 「起」は、起こすこと
この2つが合わさってできた言葉です。
『想起』には
- 以前にあったことなどをおもいおこすこと
などの意味があります。
「想起」の正しい使い方を例文で紹介!
「想起」は、以前にあったことなどをおもいおこすことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼女の話で、昔の出来事を想起した。
例文②

写真を見て、10年前の旅行を想起した。
例文③

災害のニュースに触れ、十年前の地震を想起した。
例文④

この歌は、幼いころを想起させるものだ。
例文⑤

久しぶりに見た海は、大学時代を想起させた。
【想起を使う時の注意点】
「想起」は「思い出す」よりも堅い表現で、主に文章やビジネスシーンなどで用いられます。
外からの刺激によって古い記憶がよみがえるというニュアンスで使われますので覚えておきましょう。
「想起」の類義語・言い換え5選
『想起』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 追憶
- 回想
- 思い出す
- 記憶
- 振り返る
類義語①追憶の意味
過ぎ去ったことに思いをはせること。過去をしのぶこと。追想。
引用:Weblio辞書

老人は静かに青春の日々を追憶していた。
類義語②回想の意味
かつて経験したことを思いめぐらすこと。過去のことをふりかえって思いおこすこと。
引用:Weblio辞書

彼は学生時代を回想しながら、ゆっくり語り始めた。
類義語③思い出すの意味
過去のこと、忘れていたことを心によみがえらせる。
引用:Weblio辞書

中学の同級生の名前をやっと思い出した。
類義語④記憶の意味
過去に体験したことや覚えたことを、忘れずに心にとめておくこと。また、その内容。
引用:Weblio辞書

その事故のことは、今でも鮮明に記憶している。
類義語⑤振り返るの意味
過去の物事を顧みる、思い起こすこと。回顧すること。
引用:Weblio辞書

今年を振り返り、来年の目標を考える。

「想起」と「連想」の違いは?
「想起」と「連想」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「想起」には以前にあったことなどをおもいおこすことという意味がありますが、
それに対し「連想」には、ある物事から別のイメージや言葉を思いつくことという意味があります。
「想起」は 記憶を思い出すことを表すのに対して、「連想」は あるきっかけから関連することを思いつくことを意味する言葉です。
似ている言葉ですがニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「想起」は英語で『recollection』
想起は英語の『recollection』に言い換えることができます。
英語の『recollection』には
- 記憶(力)
- 回想
- 回顧
- 想起
などという意味があります。
「想起」の対義語・反対語は『忘却』
想起の対義語は、『忘却』になります。
忘却には
- すっかり忘れてしまうこと
- 忘れ去ること
などの意味があり、すっかり忘れてしまうことを表す際に用いられます。

苦しい経験も、時間の経過とともに忘却していく。
以前にあったことなどをおもいおこすことという意味の「想起」に対して、すっかり忘れてしまうことという意味の「忘却」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
