「一瞥」という言葉には、「ちらっと見ること」という意味があります。
一瞬だけ見る様子を表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「一瞥」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「一瞥」の意味は『ちらっと見ること』

一瞥の読み方は「いちべつ」です。
語源は漢字の「一」と「瞥」から成り立っており、
- 「一」はほんのわずか、ちょっと
- 「瞥」はちらりと見る
の2つが合わさってできた言葉です。
『一瞥』には
- ちらっと見ること
- ちょっとだけ見やること
などの意味があります。
「一瞥」の正しい使い方を例文で紹介!

「一瞥」は、一瞬だけ見る様子を表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

先輩に挨拶をしたが、一瞥するだけで返事をしてくれなかった。
例文②

せっかく旅行に来たのに、息子は絶景に一瞥もくれず、スマホに夢中だった。
例文③

彼女が自慢していたブランド物のバッグは、一瞥で偽物だと分かりました。
例文④

そのアイドルは、待っていたファンを一瞥することもなく、すぐに車に乗り込んでいった。
例文⑤

対戦相手を一瞥しただけで、かなりの強敵だと分かった。
【一瞥を使う時の注意点】
「一瞥」はちらっと見ることという行動を表す言葉なので、上から目線で見る・軽蔑した目で見るなどの意味は含みません。
「一瞥」の類義語・言い換え4選

『一瞥』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 一見
- 瞥見
- チラ見
- 盗み見る
類義語①一見の意味
- 一度見ること。ひととおり目を通すこと。
- ちらっと見ること。
- (副詞的に用いて)ちょっと見たところ。
- 一度会うこと。初対面。いちげん。
引用:Weblio辞書

事故現場を一見しただけで、かなりの衝撃だったことが分かった。
類義語②瞥見の意味
ちらっと見ること。短い時間でざっと見ること。
引用:Weblio辞書

説明会の前に、資料を瞥見しておこう。
類義語③チラ見の意味
俗に、ちらりと見ること。ちらちらと盗み見ること。
引用:Weblio辞書

隣に座っている人の時計が素敵だったのでチラ見していたけど、ブランドは分からなかった。
類義語④盗み見るの意味
人に気づかれないようにこっそり見る。
引用:Weblio辞書

授業参観に来ないでと言われてしまったので、廊下から盗み見ることにした。

「一瞥」と「一目」の違いは?

「一瞥」と「一目」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「一瞥」にはちらっと見ることという意味がありますが、
それに対し「一目」には、ただちょっと見ることという意味があります。
どちらもほとんど同じ意味で使われる言葉ですが、「一瞥」を使うときは、相手のことをちらりとも見ない、相手の存在を無視するといったような場面が多く、「一目」は単にちょっと見ることを表すことが多いです。
「一瞥」は英語で『glance』

一瞥は英語の『glance』に言い換えることができます。
英語の『glance』には
- 一見
- 一瞥
という意味があります。
「一瞥」の対義語・反対語は『凝視』

一瞥の対義語は、『凝視』になります。
凝視には
- 目をこらして見つめること
などの意味があり、対象を見つめることを表すときに用いられます。

彼女は壁にかかっていたポスターを凝視していた。
「一瞥」はちらっと見ることという意味で使われ、「凝視」は目をこらして見つめることという意味で使われます。
