「庇護」という言葉には、「かばって守ること」という意味があります。
かしこまった文章の中でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「庇護」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「庇護」の意味は『かばって守ること』

庇護の読み方は「ひご」です。
語源は漢字の「庇」と「護」から成り立っており、
- 「庇」は上からおおうようにして守る、かばう
- 「護」はかばい守る、まもり
の2つが合わさってできた言葉です。
『庇護』には
- かばって守ること
などの意味があります。
「庇護」の正しい使い方を例文で紹介!

「庇護」は、かしこまった文章の中で、対象をかばって守ることを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

子どもとは、保育者の庇護のもとで健やかに育つべき存在である。
例文②

内戦によって母国を追われた人々が、庇護の申請を行うことで、支援を受けることができる。
例文③

そのブランドは王室の庇護を受け、世界的に有名になりました。
例文④

か弱く、自己主張できない女性は、男性の庇護欲を刺激すると言われている。
例文⑤

全ての弱い立場にある人が、適切な庇護を受けられる世の中であるべきだ。
【庇護を使う時の注意点】
「庇護」は、かばい守る対象が弱者を指すことが多いので、使用する場面には注意が必要です。
「庇護」の類義語・言い換え5選

『庇護』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 擁護
- 愛護
- 養護
- 保全
- 救済
類義語①擁護の意味
侵害・危害から、かばい守ること。
引用:Weblio辞書

差別や偏見にさらされている人々の人権を擁護するために、デモが行われている。
類義語②愛護の意味
かわいがって庇護すること。
引用:Weblio辞書

彼女は動物愛護団体でのボランティア活動に取り組んでいます。
類義語③養護の意味
- 養い守ること。
- 児童・生徒の健康を保護し、その成長を助けること。
- 特に、保護を必要とする児童などを、特別な施設によって教育すること。
引用:Weblio辞書

子どもを養護することが、保育者の責任であると考えます。
類義語④保全の意味
保護して安全であるようにすること。
引用:Weblio辞書

観光地の開発では、景観の保全も重要です。
類義語⑤救済の意味
苦しむ人を救い助けること。
引用:Weblio辞書

生活の苦しい世帯に対し、救済措置をとるべきです。

「庇護」と「保護」の違いは?

「庇護」と「保護」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「庇護」にはかばって守ることという意味がありますが、
それに対し「保護」には、外からの危険・脅威・破壊などからかばい守ることという意味があります。
どちらも対象をかばい守ることを意味していますが、「庇護」はその対象が立場の弱い弱者を指すのに対し、「保護」はその対象が限定されず、人や環境などに広く適応されるという違いがあります。
「庇護」は英語で『protection』

庇護は英語の『protection』に言い換えることができます。
英語の『protection』には
- 保護
- 庇護
という意味があります。
「庇護」の対義語・反対語は『迫害』

庇護の対義語は、『迫害』になります。
迫害には
- 弱い立場の者などを追い詰めて、苦しめること
などの意味があり、世界情勢や時事問題に言及するときなどに用いられます。

はるか昔から、多くの人が宗教上の理由で迫害を受けてきた。
「庇護」はかばい守ることという意味で使われ、「迫害」は弱い立場の者などを追い詰めて、苦しめることという意味で使われます。
