「諫言」という言葉には、「目上の人の過失などを指摘して忠告すること」という意味があります。
歴史小説などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「諫言」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「諫言」の意味は『目上の人の過失などを指摘して忠告すること』
諫言の読み方は「かんげん」です。
語源は、「日本書紀」の天皇の息子である皇子が忠告を受けて行動をやめたというエピソードを指す「皇子乃ち諫(イサメコト)に従ひて止(や)みぬ」から来ており、
- 「諫」はいましめる・さとす・いさめる・忠告
- 「言」はいう・話す・述べる
の2つが合わさってできた言葉です。
『諫言』には
- 目上の人の過失などを指摘して忠告すること
などの意味があります。
「諫言」の正しい使い方を例文で紹介!
「諫言」は、目上の人の過失などを指摘して忠告することを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

部下の諫言に耳を貸さない経営者は、うまくいかないと思います。
例文②

仕事の雑な社長に部下の課長が諫言したが、聞き入れてもらえなかったようです。
例文③

気持ちは分かりますが、人間関係を円滑にする為にも不用意な諫言は控えるべきです。
例文④

うちの会社のパワハラ上司に諫言できる部下はいないです。
例文⑤

諫言を受け入れる器の大きい先輩はそうそういない。
【諫言を使う時の注意点】
「諫言」は年上や目上の人など立場が上の人に対して、年下など目下の人が過失などを指摘して忠告することを意味します。
「諫言」は単なる進言や批判ではなく、相手の過失や欠点を正したり改善を促す目的で行われるものなので、相手の立場や状況を考慮して攻撃的な口調になったりしないよう注意が必要です。
「諫言」の類義語・言い換え3選
『諫言』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 忠告
- 忠言
- 警世
類義語①忠告の意味
まごころをこめて相手の欠点や過ちを、戒めさとすこと。
引用:コトバンク

公園で遊んでいる子ども達に野良犬には近づかないよう忠告しておきました。
類義語②忠言の意味

このままでは無理だと思うので、夫の忠言に従おうと思います。
類義語③警世の意味

彼女の書いた本は、世の不正を正し、人々に善行を促す警世の書として広がりました。

「諫言」と「進言」の違いは?
「諫言」と「進言」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「諫言」には目上の人の過失などを指摘して忠告することという意味がありますが、
それに対し「進言」には、目上の者に対して意見を申し述べることという意味があります。
どちらも上の人間に意見を述べることを意味していますが、「進言」は目上の人とって価値のある内容の意見に対して使われ、必ずしも相手の過ちの指摘に限定されない言葉です。
一方で「諫言」も価値ある意見ですが、目上の人の過失て使われるので、耳の痛い内容であり言う側にもある程度の覚悟が必要です。
「諫言」は英語で『monition』
諫言は英語の『monition』に言い換えることができます。
英語の『monition』には
- 戒告・警告
- 注意・呼び出し
という意味があります。
「諫言」の対義語・反対語は『甘言』
諫言の対義語は、『甘言』になります。
甘言には
- 人の気に入るような口先だけのうまい言葉
などの意味があり、人の気に入るような口先だけのうまい言葉を表すときに用いられます。

彼女は甘言で、簡単な解き方を先生から聞き出すことに成功しました。
「諫言」は目上の人の過失などを指摘して忠告することを指し、「甘言」は人の気に入るような口先だけのうまい言葉を指しています。
