「寓話」という言葉には、「擬人化した動物などを主人公に、教訓や風刺を織りこんだ物語」という意味があります。
文学形態のひとつとしてよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「寓話」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「寓話」の意味は『擬人化した動物などを主人公に、教訓や風刺を織りこんだ物語』

寓話の読み方は「ぐうわ」です。
語源は漢字の「寓」と「話」から成り立っており、
- 「寓」は他の物を利用して気持ちを託する
- 「話」ははなし、筋立てて語られたもの
の2つが合わさってできた言葉です。
『寓話』には
- 擬人化した動物などを主人公に、教訓や風刺を織りこんだ物語
などの意味があります。
「寓話」の正しい使い方を例文で紹介!

「寓話」は、文学形態のひとつを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

イソップ物語は、世界で有名な寓話集のひとつです。
例文②

「ウサギとカメ」や「アリとキリギリス」といった寓話から、人生の教訓を得ることができる。
例文③

道徳心を子どもたちに教えるには、寓話を読み聞かせるといいでしょう。
例文④

寓話の中にはビジネスに生かせる教えが得られるものも多いので、子ども向けだとバカにできません。
例文⑤

最近ヒットしている映画は、寓話的なストーリーで、深く考えさせられる作品だった。
【寓話を使う時の注意点】
「寓話」は教訓や道徳をテーマにしている物語のことなので、大人も読者に含まれます。
「寓話」の類義語・言い換え4選

『寓話』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 訓話
- おとぎ話
- 寓言
- 道話
類義語①訓話の意味
教えさとすための話。また、教訓的な話。
引用:コトバンク

毎週月曜日は、全校集会で校長先生の訓話を聞きます。
類義語②おとぎ話の意味
子供に聞かせる伝説・昔話など。「桃太郎」「かちかち山」の類。また、比喩
的に、現実離れした空想的な話。
引用:コトバンク

子どもの頃、寝る前にいつもおとぎ話を読み聞かせしてもらっていました。
類義語③寓言の意味
他の物事にことよせて意見や教訓を述べた言葉。たとえ話。
引用:コトバンク

心に響いた寓言をまとめておいて、後で読み返すと多くの気付きがあります。
類義語④道話の意味
- 人の道を説いた話。
- 江戸時代、心学者によって行われた訓話。身近な例をあげて、わかりやすく道徳を説いたもの。心学道話。
引用:コトバンク

祖父はいつも仏教の道話を聞かせてくれました。

「寓話」と「童話」の違いは?

「寓話」と「童話」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「寓話」には擬人化した動物などを主人公に、教訓や風刺を織りこんだ物語という意味がありますが、
それに対し「童話」には、子供のために作られた話という意味があります。
どちらも文学形態のひとつを表す言葉ですが、「寓話」は内容に教訓が含まれる物語を意味し、読者は子どもに限りません。
対して「童話」は子どもに向けた物語という意味なので、おとぎ話や伝説などに加え、子どもも読む寓話も、童話のひとつと言えます。
「寓話」は英語で『fable』

寓話は英語の『fable』に言い換えることができます。
英語の『fable』には
- (動物などを擬人化して教訓を含んだ)寓話
- 作り話
という意味があります。
「寓話」の対義語・反対語は大衆小説

寓話の対義語は、『大衆小説』になります。
大衆小説には
- 一般大衆を対象にして書かれた通俗的、娯楽的な小説
- 大衆文学
などの意味があり、文学形態を表すときに用いられます。

エンタメ性に特化した大衆小説は、普段本を読まない人でも手に取りやすいと思う。
「寓話」は擬人化した動物などを主人公に、教訓や風刺を織りこんだ物語という意味で使われ、「大衆小説」は一般大衆を対象にして書かれた通俗的、娯楽的な小説という意味で使われます。
