「喧伝」という言葉には、「盛んに言いはやして世間に広く知らせること」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「喧伝」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「喧伝」の意味は『盛んに言いはやして世間に広く知らせること』
喧伝の読み方は「けんでん」です。
明確な語源や由来はありませんが、「喧」と「伝」のそれぞれの意味は、
- 「喧」は、やかましい
- 「伝」は、つたえる
この2つが合わさってできた言葉です。
『喧伝』には
- 盛んに言いはやして世間に広く知らせること
などの意味があります。
「喧伝」の正しい使い方を例文で紹介!
「喧伝」は、盛んに言いはやして世間に広く知らせることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

新商品の良さを喧伝する広告です。
例文②

この化粧水はメディアが喧伝している。
例文③

これは、インフルエンサーが喧伝して一気に話題になった。
例文④

この健康ジュースは喧伝されすぎていて、逆に買う気が失せる。
例文⑤

彼の功績は、死後に喧伝されて称賛を集めた。
【喧伝を使う時の注意点】
「喧伝」は、自分の主張や情報を大げさに広めるという意味の言葉です。
ニュアンスとしては、宣伝よりもやや批判的で、誇張や自慢の意味合いを含みます。
言葉自体に悪い意味はありませんが、使う場面によっては「信用できない」と受け取られる可能性があるため注意が必要です。
「喧伝」の類義語・言い換え5選
『喧伝』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 宣伝
- 誇張
- 吹聴
- 触れ回る
- 流布
類義語①宣伝の意味
商品の効能や主義・主張などに対する理解・賛同を求めて、広く伝え知らせること。
引用:Weblio辞書

宣伝の効果で、チケットはすぐに売り切れた。
類義語②誇張の意味
実際よりも大げさに表現すること。
引用:Weblio辞書

彼はいつも少し誇張して話す。
類義語③吹聴の意味
言いふらすこと。言い広めること。
引用:Weblio辞書

不確定な事実を吹聴することはやめたほうがいい。
類義語④触れ回るの意味
方々へ言い触らして歩く。吹聴(ふいちょう)して回る。
引用:Weblio辞書

彼はSNS上の噂を触れ回っている。
類義語⑤流布の意味
世に広まること。広く世間に行き渡ること。
引用:Weblio辞書

その情報は数日で全国に流布した。
「喧伝」と「宣伝」の違いは?
「喧伝」と「宣伝」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「喧伝」には盛んに言いはやして世間に広く知らせることという意味がありますが、
それに対し「宣伝」には、商品の効能や主義・主張などに対する理解・賛同を求めて、広く伝え知らせることという意味があります。
「喧伝」は、情報や噂を誇張して広めることを意味しますが、「宣伝」は、商品やサービスなどを知らせる、広告することを指します。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「喧伝」は英語で『broadcast』
喧伝は英語の『broadcast』に言い換えることができます。
英語の『broadcast』には
- (…を)放送する
- ばらまく
- 散布する
- ふれまわる
- 吹聴(ふいちよう)する
という意味があります。
「喧伝」の対義語・反対語は『隠蔽』
喧伝の対義語は、『隠蔽』になります。
隠蔽には
- 人の所在、事の真相などを故意に覆い隠すこと
などの意味があり、都合の悪いことや問題を外から見えないように隠すことを表す際に用いられます。

あの企業は隠蔽体質だと言われている。
盛んに言いはやして世間に広く知らせることという意味の「喧伝」に対して、人の所在、事の真相などを故意に覆い隠すことという意味の「隠蔽」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
