「同族嫌悪」という言葉には、「同じ種類や系統のものを嫌悪すること」という意味があります。
同じ種類のものや人を嫌悪することを表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「同族嫌悪」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
同族嫌悪の意味は『同じ種類や系統のものを嫌悪すること』
同族嫌悪の読み方は「どうぞくけんお」です。
語源は、同じ血筋・部族・系統に属しているこという意味の「同族」と、強い不快感を持つことという意味の「嫌悪」が組み合わさった言葉です。
『同族嫌悪』には
- 同じ種類や系統のものを嫌悪すること
- 自分と同じ趣味・性質を持つ人に対して抱く嫌悪感
などの意味があります。
「同族嫌悪」の正しい使い方を例文で紹介!
「同族嫌悪」は、同じ種類のものや人を嫌悪することを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼女は、先輩は男好きだから苦手だと愚痴っていたけど、私から見れば同族嫌悪だと思う。
例文②

同族嫌悪だと分かっているが、人見知りで口下手な人は苦手だ。
例文③

親戚が集まるといつも学歴にこだわって張り合っていて、まさに同族嫌悪とはこのことだ。
例文④

完璧主義の母の愚痴を彼氏にこぼしていたら、「それは同族嫌悪だね」と言われてしまった。
例文⑤

同族嫌悪を抱くと分かっているので、同じ趣味の人たちと交流することは避けています。
【同族嫌悪を使う時の注意点】
「同族嫌悪」は、親族や同僚などの立場が同じ相手や、似たような趣味・性質を持つ相手に対して抱く感情なので、立場や嗜好に似たところがない相手には使えません。
「同族嫌悪」の類義語・言い換え4選
『同族嫌悪』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 同属嫌悪
- 近親嫌悪
- 自己嫌悪
- 骨肉の争い
類義語①同属嫌悪の意味
同じ種類や系統のものを嫌悪すること。自分と同じ趣味・性質を持つ人に対して抱く嫌悪感。「同族」は系統・血筋などが同じもの。同属は同じ種類に属するもの、といった意味でほぼ同様である。
引用:Weblio辞書

同期とは営業成績で競っているので、どうしても同属嫌悪してしまう。
類義語②近親憎悪の意味
親族どうし、または階層や性質などの似た者どうしが、ひどく憎み合うこと。
引用:Weblio辞書

母は自分の姉妹に対して近親憎悪を抱いているので、親戚の集まりでは顔を合わせないようにしている。
類義語③自己嫌悪の意味
自分で自分自身が嫌になること。
引用:Weblio辞書

休みの日に昼過ぎまで寝てしまうと、一日を無駄にしてしまったような気がして自己嫌悪に陥る。
類義語④骨肉の争いの意味

祖父が亡くなった後、遺産をめぐって骨肉の争いとなった。

「同族嫌悪」と「同担拒否」の違いは?
「同族嫌悪」と「同担拒否」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「同族嫌悪」には同じ種類や系統のものを嫌悪することという意味がありますが、
それに対し「同担拒否」には、アイドルやアニメのファンが同じ人物を応援している他のファンを遠ざけたいという意思表明のことという意味があります。
「同族嫌悪」は広く一般的に、自分と似た趣味や性質のものを嫌悪することという意味で使われますが、「同担拒否」の場合は、嫌悪する対象が自分の好きな人物のファンである人に限定されます。
そのため、「同担拒否」は「同族嫌悪」の一種であると言えます。
「同族嫌悪」は英語で『despise people although they are similar』
同族嫌悪は英語の『despise people although they are similar』に言い換えることができます。
英語の『despise people although they are similar』には
- 同族嫌悪
という意味があります。
「同族嫌悪」の対義語・反対語は『同気相求める』
同族嫌悪の対義語は、『同気相求める』になります。
同気相求めるには
- 気の合う者はおのずから親しくなり、寄り集まる
などの意味があり、気の合う人どうしが自然と仲良くなり、集まる様子を表すときに用いられます。

息子の仲良しグループは、ゲーム好きの子ばかりで、まさに同気相求めるという漢字だ。
「同族嫌悪」は、自分と同じ趣味・性質を持つ人に対して抱く嫌悪感という意味で使われ、「同気相求める」は、気の合う者はおのずから親しくなり寄り集まるという意味で使われます。
